マリナーズ・イチローがライブBPで9か月ぶりの実戦も1スイングのみ 「僕、嫌いですから」

スポーツ報知
打撃練習を行うマリナーズ・イチロー

 マリナーズ・イチロー外野手(45)が17日(日本時間18日)、マイナーからの招待選手として参加している米アリゾナ州ピオリアのキャンプ地で、実戦形式の打撃練習を行った。メジャーの投手を相手にして打席に入るのは、昨年5月以来となる。

 対戦した投手は昨季ジャイアンツで活躍したハンター・ストリックランド。メジャーで「ライブBP」と呼ばれるフリー打撃では、投手にとっての実戦練習の意味合いが色濃く、打者は打席に立っても球を見るだけでバットを一切、振らない選手もいるほどだ。この日のイチローは、全7球のうち1度だけスイングしたが、ファウルだった。久々の打席だったが「別にどうってことないです」と淡々と振り返り、ライブBPについても「僕、嫌いですから、もともと。今年も嫌いです(笑い)。別にマイナスとは言わないけど、特別なプラスというわけではないです」と苦笑いした。

 午前11時から開始されたキャンプ2日目の練習では、ウォーミングアップや走塁練習など、イチローはグループの先頭に立ち、誰よりもシャープな動きを見せた。ライブBP後にも、フリー打撃を行い、やや腰を落としてバットの先を投手へ向けるような新打撃フォームで25スイング中、2本の柵越え。外野へ左右にうまく打ち分けていた。

 午後2時に全体練習が終了し、イチローがクラブハウスに戻ると、同僚の菊池に遭遇した際に「いつBP(バッティングピッチャー)投げるの?」と声を掛けた。憧れのイチローから話しかけられた菊池が緊張気味に「あさって(19日)です」と答えると、イチローは「どうなのかな、打席立つのかな。見たいな、ブルペンも見たい。だって日本で一番いい左投手だからね」と笑った。イチローからそう言われた菊池は照れながらボールが左右へ動くようなジェスチャーをし、「イチローさん、ボールなんですけど、親指をかけるとこがどうも…」と助言を求めると、イチローは「それよくわかる。シアトル行ったら大丈夫。アリゾナ(の気候)が異常だから」と答えた。

 サービス監督は、イチローについて「イチはしっかりと準備ができていた。たとえ11月中旬に呼び出したとしても、すぐに出動できるほど(笑い)、彼は常に準備ができている」と、45歳のベテランのプロ意識をたたえた。さらに、今季のマリナーズには若い選手が多く、ベテラン選手とのバランスをどう取っていくのかと聞かれると「若い選手がたくさんいれば、ベテラン選手にいろんなことを質問する。そして、質問をされた方は、そんなことは長らく聞かれたことがなかったな、とそのことについて再び考えてみたり、今の自分があることに感謝することができる。たとえば、これほど長くプレーしているベテランのイチローだってそうだと思う。若い選手から質問されれば、そのことを思い出して感謝するだろう。それは(両者にとって)とても良いことだ」と話した。

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