イチロー、306日ぶり安打「あのヒットではちょっと恥ずかしい」

スポーツ報知

◆オープン戦 マリナーズ8―1アスレチックス(22日・ピオリア)

 マリナーズとマイナー契約を結び、招待選手としてキャンプに参加しているイチロー外野手(45)が22日(日本時間23日)、チームのオープン戦初戦となるアスレチックス戦(ピオリア)に「7番・左翼」でスタメン出場。3回2死満塁の2打席目に、昨年4月22日の敵地でのレンジャーズ戦以来306日ぶりの安打となる右前2点打を放った。チームメートの菊池雄星投手(27)はベンチでハイタッチを交わし感激した。

 狙い澄ましたかのように打球を落とした。3回2死満塁。イチローはカウント2―2から高めの91マイル(約146・5キロ)の直球を振り抜いた。詰まらされ、バットを折られたが、右翼の前にポトリ。実戦306日ぶりの安打は、マーリンズ時代の17年9月19日の本拠でのメッツ戦以来、521日ぶりの打点もついた。

 先発発表時も、久々の一打も、歓声はひときわ大きかった。1打席目は捕邪飛に倒れたが、バットを投手寄りに傾け、膝を沈ませる新打法で2打数1安打2打点。会心の当たりではなく満足感のなかったイチローは「あのヒットではちょっと恥ずかしい」と言いつつ「そりゃきれいな(ヒットの)方がいいけどね。(ファンの)気持ちはうれしいですね」とホッとしていた。

 20日の打撃練習中に右足甲に投球が当たって練習を早退。21日は打撃練習などを行い、この日のスタメンは当日になって知った。相手投手は3年連続で50登板以上の左腕R・バクター。昨季、左打者に対して被打率1割6分9厘だった左キラーだが、イチローには関係なかった。サービス監督も「守備の穴を見つけてうまく運んだ。彼にとっていい結果になったんじゃないか」と感心しきりだった。

 渡米19年目で初めてマイナー契約で迎えるキャンプ。日米通算28年のレジェンドですら「すごく緊張した」と本音を漏らした。「最初に来た時とも違う緊張感でしたね。こういう種類のもの(緊張)を味わうとはね。思っても見なかったです」と胸の内を明かすほど、未知の経験とも戦っている。

 3月20、21日に東京Dで行われる開幕カード(対アスレチックス)はベンチ入りが濃厚だが、その後の生き残りは微妙な状況。これまでとはオープン戦への意気込みも違う。「それは変わった立場がありますから。当然だと思います」。昨年はオープン戦で10打数無安打だっただけに、順調なスタートを切った。(安藤 宏太)

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