イチロー、2544日ぶり東京D「東京のファン、もう最高!」

スポーツ報知
4回1死一塁、ニゴロで出塁し一塁手・中島(右)と言葉を交わすイチロー

◆プレシーズンゲーム 巨人4―6マリナーズ(17日・東京ドーム)

 帰り際のイチローが言った。「いい、すごくいい。東京のファン、もう最高!」。紛れもない本音だった。

 大勢のファンのスマホが打席にフォーカスされたのは、2回無死一、二塁だ。イチロー、2544日ぶりの東京D見参。実数発表となって以降、メジャー開幕シリーズ史上最多となる超満員の視線が注がれた。フルカウントから中飛に倒れたが、大きな拍手が送られた。「球場はいい雰囲気でしたよ。東京のファンはすごく品がある。すごくいい感じです。感激しました」。試合後、開口一番に話した。

 1回裏、坂本勇の大飛球を軽快に捕球するなど見せ場は作ったが、無安打に倒れた。オープン戦から21打席連続無安打。メジャーとは違う間合い、モーションの日本人投手との対戦に「球、遅いでしょ。ダッグアウトから見ていても明らかに違う。でも(今村は)途中から丁寧に一生懸命、投げていた」と感想を語り「今日しか来られない人がたくさんいたと思うし、結果出したかったね」と振り返った。

 試合前からイチロー劇場は開演していた。午前10時過ぎにグラウンドに飛び出し、09年の第2回WBCでともに戦った原監督と談笑。直後の打撃練習では、前日の10本に続いて、8本のサク越え。午前10時の開門と同時に、外野スタンドへ陣取ったファンを喜ばせた。

 プレーボール直前にはただ一人、外野方向に飛び出してアップを始め、帰り際には三塁側エキサイトシートで即席サイン会。身を乗り出してねだるファンを次々とさばく大サービスぶりだった。選手紹介でも「9番 背番号51 イチロー・スズキ」のアナウンスとともにベンチから姿を見せると、大歓声が鳴り響いた。

 試合終了後は真っ先にベンチから出て、三塁付近で元木内野守備兼打撃コーチと握手後、ナインと笑顔でハイタッチを交わした。サービス監督はイチローについて「心配していない。いい当たりがファウルになったし、素晴らしい捕球を見せた」と評価。勝ち越し2ランを放ったブルースは「実績、偉大さの全てがいまだに輝いている。彼が熱烈に歓迎されているのを見るのは、我々も光栄で幸運」と語った。劇場を取り巻く熱狂は、序章にすぎない。

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