イチロー、18歳の愛犬・一弓に感謝「懸命に生きる姿見てたら頑張らないと」引退会見一問一答

スポーツ報知
試合後会見し、現役引退を発表したイチロー(カメラ・竜田 卓)

◆MLB日本開幕戦 アスレチックス―マリナーズ(21日・東京ドーム)

 マリナーズのイチロー外野手(45)は、開幕2戦目となる21日のアスレチックス戦(東京D)後に引退会見を開いた。

 イチローは「今日のゲームを最後に、日本で9年、アメリカで19年目に突入した現役生活に終止符を打ち、引退することとなりました。最後にこのユニホームでこの日を迎えられたことを幸せに感じます。振り返るにはあまりに長い時間。これまで応援していただいた方々、球団関係者、チームメートに感謝を申し上げたい」と話し、記者の質問を受けた。

 ―終止符を打ったタイミング。

 「タイミングはですね、キャンプ終盤ですね。日本に戻ってくる何日か前。終盤ですかね。もともと日本でプレーするところまでが契約上の予定だった。キャンプ終盤でも結果が出せずに、それを覆すことができなかった」

 ―後悔は。

 「今日の出場後のできごと、あんなものを見せられたら、後悔などあろうはずはありません。人より頑張ったとは言えないですけど、自分なりに頑張ったとは言える」

 ―数多くの子供たちが見ている。子どもたちにメッセージを

 「メッセーージかあ。苦手だな。自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つければエネルギーをそっそげる。そういうものを早く見つけて欲しい。それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁にも向かっていくことができる」

 ―これまでを振り返り印象に残っているシーンは。

 「今日を除いてですよね? この後時間が経ったら、今日のことが一番、真っ先に浮かぶことは間違いない。それを除けば、いろいろな記録に立ち向かってきたけど、それは大したことではない。自分にとってそれを目指してやってきたんですけど、いずれそれは僕ら後輩が先輩の記録を抜いていくのはしないといけない。そのことにそれほど大きな意味はない。そんなふうに今日の瞬間を体験すると小さく見えてしまう。例えば、10年200本続けてきたこと、オールスターでMVPを取ったことは小さいことに過ぎない」

 ―ファンの存在。

 「ゲームにあんなことが起こるとは思わなかった。19年目、日本のファンの熱量を感じることは普段は難しい。でも久しぶりに東京ドームに来て、基本的には静かに進んでいくんですけど。日本の方は表現することが苦手というか、そんな印象があったけど完全に覆りましたね。内側にある熱い思いが確実にそこにある」

 ―貫いたもの、貫けたものは。

 「野球のことを愛したことだと思いました。これは変わることはなかったですね」

 ―支え続けてきてくれた弓子夫人への言葉。

 「いやあ。頑張ってくれましたね。一番頑張ってくれたと思います。アメリカで3089本のヒットを打った。ホーム前で妻の作ったおにぎりを食べる。その数が2800くらいだった。3000いきたかった。そこは3000個握らせてあげたかったと思う。妻もですけど、頑張ってくれた。一弓(いっきゅう)は我が家の愛犬。シバ犬ですけど、17歳と7か月。今年で18歳になろうかという柴犬。さすがにおじいちゃんになってふらふら。その懸命に生きる姿を見ていたら頑張らないとと本当に思いました」

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