【西武】菊池雄星、“2段モーション解禁”で球団左腕初の開幕戦2連勝

スポーツ報知
7回2失点の好投で今季初勝利を挙げた菊池(カメラ・堺 恒志)

◆日本ハム2―11西武(30日、札幌ドーム)

 レオのエースが、いきなりファイターズファンの大歓声をため息に変えた。今季から“解禁”された2段モーションから放たれた雄星の球に、強打者たちが面白いように空を切った。「粘り強く投げられたのは収穫。いいスタートが切れたと思います」。7回4安打2失点8奪三振と安定感抜群の内容。球団の左腕の開幕投手としては初となる開幕戦2連勝を果たした。

 「ストレートがいまいちだったので、そういう日だからこそ、スライダーなどを積極的に使っていこうと思った」。初回先頭。西川を140キロ後半の直球を中心に追い込むと、6球目に投じたのは93キロの落差のあるスライダー。空振り三振に仕留めて波に乗った。時折、クイックモーションも使い、スライダー、カーブも交える変幻自在の投球だった。

 “後輩”の活躍に後押しされた。母校・花巻東がセンバツの初戦で自身が準優勝した09年以来、9年ぶりの春1勝を挙げた。「僕も後輩たちに続きたいと思っていた。明日(31日の花巻東の試合)も楽しみに見たいと思います」ともらったバトンを再び渡した。9年前のこの日、雄星は4強入りをかけた準々決勝の試合を翌日に控え、調整していた。あの時があったから今がある。初心に戻り、札幌Dのマウンドで躍動した。

 2月4日、宮崎・南郷キャンプ中に辻監督から色紙を通じて3年連続の開幕投手に任命された。札幌Dのマウンドに登板したのは、昨季の開幕戦以来だ。辻監督は「点をとるまで頑張ってくれた。本当によく投げてくれました」と満面の笑みだ。今季もレオ軍団を引っ張るエースが、勝利のために左腕を振る。(小林 圭太)

 ◆2段モーション 投手が上げた足を止めたり、上下させたりして投げること。これまで日本では「反則投球」とされてきたが、日本以外では厳格に適用されない。そのため国際基準に合わせて野球規則の「反則投球」の定義が一部改正された。悪質なものを除き、今季から事実上罰則がなくなった。

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