【ヤクルト】青木、2336日ぶり安打…ダメ押し適時打
スポーツ報知

◆DeNA3―7ヤクルト(30日、横浜)
よほどうれしかったのか、8回の攻撃が終わると、青木は笑顔で叫んだ。「ボール!」。記念球は手元に返ってこなかったが、ポストシーズンを含めた国内公式戦での安打は11年11月6日の中日とのCS最終S第5戦(ナゴヤD)以来、2336日ぶり。この安打には特別な思いが詰まっていた。
4点リードの2死一、二塁で左前へダメ押しの適時打。「とりあえず1本出たし、いい場面で1点が欲しかった」。7年ぶりの日本復帰後は打席でのタイミングなど試行錯誤を続けながら、オープン戦最終戦前日の24日にこう漏らした。「俺、あしたで完成する」。18年版の打撃をつかみ、シーズンに突入した。
29日の全体ミーティングで呼びかけた。「長いシーズン、負けが込んだりしているとmust、やらなければいけない気持ちになっちゃう。mustじゃなく、can、できるんだの精神でやっていこう」。気付けばアドバイスを送り、若手を食事に誘った。個人プレーに走りがちという指摘もあった時代から6年で7球団を渡り歩き、明るさと練習熱心は変わらないままチームの精神的支柱に変わった。
10安打7得点で白星発進。「これで流れに乗っていきたい」。まだ1試合とはいえ、何かできる空気が生まれたチームの中心に青木がいた。(田島 正登)