【広島】今季3度目サヨナラでセ30勝一番乗り!野間、人生初の劇打に「最高で~す!」

◆日本生命セ・パ交流戦 広島4x―3日本ハム(6日・マツダスタジアム)
広島が逆転サヨナラ勝ちで、セ・リーグ一番乗りの30勝目を挙げた。1点を追う9回1死二、三塁から野間が鮮やかに中前打で決めた。52試合目での30勝到達は、連覇した昨年の50、一昨年の55試合と同等のペース。リーグ首位を独走するチームが今年もVへの軌道に乗った。
またも崖っぷちからひっくり返した。1点を追う最終回。相手のミスで1死二、三塁の絶好機を作ると、野間が6球目をしぶとく中前へとはじき返した。三塁走者に続き、二塁の鈴木も生還。今季3度目のサヨナラ勝ちに、お立ち台で「最高でーす!」とお決まりのフレーズを3度繰り返した。
嫌なムードも、ひと振りで払った。先発・岡田は試合開始から2者連続で四球を与え、1死一、三塁で中田の右前打を鈴木が後逸。不安定な投球が味方のエラーにつながり、初回だけで3点を失った。今季4度目の3連敗目前でチームを救った野間の一打は、野球人生初という劇打。緒方監督も「今日はホメておこう」と手放しでたたえた。
丸の負傷離脱で定位置を獲得したが、復帰後も左翼のスタメンに名を連ねる。新井からはイジリの標的とされ、新井が練習で使うバッグには「新井くんへ」と書かせた野間のサインがある。一昨年大ブレークした鈴木もかつて、同じバッグにサインした。野間の交流戦での打撃成績は7試合で打率3割6分7厘、6打点。鈴木、バティスタと同じく、この時期に現れるニューヒーローとして飛躍の時を迎えている。
劇勝の瞬間、ペットボトルシャワーを誰も用意しておらず、ナインは愛情あふれるキックで祝福。「他の人と違う…」と苦笑いを浮かべた。今季19度目の逆転勝ちで、52試合目で30勝に到達。リーグ2連覇した過去2年と同等のペースで、ゲーム差は今季最多の5・5まで開いたが、野間は「まだまだ。次からの試合でも結果を求められる」と表情を崩さない。皆から愛される男が、苦戦が続く交流戦をけん引する。(種村 亮)