【日本ハム】三振併殺で試合終了 ベテラン捕手・鶴岡キラリ

スポーツ報知
三振併殺で勝利を決めハイタッチで喜ぶ(右から)鶴岡、有原、レアード(カメラ・頓所 美代子)

◆日本生命セ・パ交流戦 日本ハム2―1ヤクルト(16日・札幌ドーム)

 日本ハムは1点差のゲームを制して、交流戦首位を走るヤクルトに連勝。チームの連勝も4に伸ばした。

 ベテランの判断力が、チームを救った。1点リードの9回。守護神・有原が招いた1死二、三塁のピンチ。プロ16年目の鶴岡慎也捕手(37)が輝いた。代打・藤井を2球で追い込むと、3球目に外角のきわどいコースのボール球を要求した。正確に外角低めのボールゾーンに制球された150キロの直球に、藤井は思わずハーフスイング。すると鶴岡はすかさず三塁へと送球して、飛び出していた三塁走者・田代をアウトにした。ハーフスイングした藤井は空振りを取られ、三振併殺で試合が終了した。

 一打逆転の場面の裏で、緻密なサイン交換が行われていた。鶴岡は「中嶋さん(バッテリー兼作戦コーチ)からの指示があったので」と、三塁走者の離塁が大きいことに関しての指示があったことを明かした。1死二、三塁となった場面で、代打・藤井と同時に三塁走者の代走で送られたのが田代だった。俊足に定評のある選手。鶴岡は「だからあそこで代走を出したんだろう」と、ヤクルトベンチは内野ゴロでもギャンブルでスタートを切らせる狙いだと推測していた。

 配球にも意図があった。わずか2球で追い込んだ後、外角ボールゾーンに直球を要求した。これについては「きわどい(コースに)球が来てバッターがハーフスイングをして、あれだけのハーフスイングなら、ランナーも飛び出してしまうと思う」。追い込まれた打者は、多少のボール球にも手を出そうとする心理が働き、三塁走者はどんな当たりでも本塁へ生還しようとスタートへの意識を強める。両者の心理を逆手に取った結果、全てが狙い通りに進み、策がはまった。

 試合後、栗山監督は「すばらしかったね。どのチームも隙を狙っているけど、ああいうところで正確なプレーをするというのは簡単なことではない」と絶賛。鶴岡は「いろいろなことが重なって、一発でいけたのでよかったですね」と表情を緩めた。積み重ねてきた経験値が勝負所で生き、チームを救った。

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