【日本ハム】平沼、プロ初安打「頭の中が真っ白だった」3年目の笑顔

スポーツ報知
9回1死で左前にプロ初安打を放った平沼

◆日本生命セ・パ交流戦 日本ハム1―5ヤクルト(17日・札幌ドーム)

 日本ハムのプロ3年目・平沼翔太内野手(20)がプロ初安打を放った。遊撃の守備から途中出場したヤクルト戦の9回、石山から左前に流し打った。大田泰示外野手(28)は6試合連続安打となるマルチ安打を記録し好調を維持。試合は1―5で敗れ連勝は4で止まった。

 やっと出た。平沼は初安打の感触が残る右手をヘルメットに添え、三塁ベンチに会釈した。真っ黒に日焼けした顔から白い歯がこぼれる。「何が起こったのか、分からなくて頭の中が真っ白だった」。実感したのはベンチの祝福と、スコアボードにともったHのランプ。「正直ほっとしました」。3年目でようやく生まれた1本に、心は軽くなった。

 9回1死。1ボール2ストライクと追い込まれた後、石山の外角146キロの直球にコンパクトにバットを合わせた。1軍初出場した昨季は8打数無安打。今季は開幕1軍を目指しオープン戦では4割5分5厘と打ちまくったが2軍スタート。14日に昇格し「今度こそは打ってやろう」。強い意志を持って札幌Dに乗り込んだ。14日の阪神戦の代打出場は中飛も、今季2打席目で待望の一打が生まれた。

 栗山英樹監督(57)は「素晴らしかった。これからが楽しみ」と今後に期待した。15年センバツの優勝投手は、粗削りだが潜在能力はピカイチ。父の日に観戦に来られなかった父・次郎さんの代わりに、母・美佳さんが球場で見守った。初安打の記念ボールは「実家に送ろうかな」と平沼。故郷・福井で待つ父には、最高のプレゼント。記念のボールはもっと増やせるはずだ。(秦 雄太郎)

 ◆平沼 翔太(ひらぬま・しょうた)1997年8月16日、福井市生まれ。20歳。小学1年から野球を始め、中学ではヤングリーグ「オールスター福井」で全国大会8強。敦賀気比では2年生の春からエース。14年夏、15年春夏と3度甲子園に出場し、3年のセンバツで全国制覇。15年ドラフト4位で入団。遠投110メートル。好物はホルモン。179センチ、78キロ。右投左打。

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