【楽天】田中、崖っぷちからブレーク「最低でも1日1個チームのプラスに」インタビュー前編

2018年6月20日9時0分  スポーツ報知
  • 19日のDeNA戦では、初回に続き3回にも二塁内野安打で出塁した田中
  • 1回1死三塁、島内の二塁野選で生還した三塁走者の田中

 ◆日本生命セ・パ交流戦 DeNA1―7楽天(19日・横浜)

 楽天の田中和基外野手(23)が、19日までにスポーツ報知のインタビューに応じた。今季は初の開幕1軍を果たしたものの、4月5日に2軍降格し、2軍でも打率1割台と低迷。だが、オコエ瑠偉外野手(20)の故障で5月23日に再昇格すると、翌24日のオリックス戦で2安打を放ち、続くソフトバンク3連戦では2発を含む5安打と一気にブレーク。この日のDeNA戦(横浜)は「1番・中堅」で先発し、4安打と大爆発。不振のチームに明るい光をもたらしている。打撃上昇のきっかけや、プロを目指して本格的に取り組んだスイッチなどについて、前後編で届ける。(取材・構成、山口 泰史)

 開幕直後は主に代走、守備固め要員だったが、交流戦は全試合スタメン出場。立ち位置の激変にも、浮かれるところはない。

 「出してもらえる保証はないので、最低でも1日1個、チームのプラスになるようなことはしようと。絶対何かをしなきゃとか、ミスして落ち込むとか、変に自分を追い込まずにいいことを1日1個やろうという気持ちでやってます」

 好調の要因に“開き直り”を挙げた。

 「今年は完全なマイナスからのスタート。1軍で結果を残せず、2軍に行っても結果を出せなかった。たまたま運良く1軍に上がって、期待もそんなに高くなかった。僕自身、自信を持って上がって来られたわけではないので、逆に開き直ってできたかなと」

 4月終了時、2軍での打率は1割3分2厘。状態はどん底だった。

 「4月が終わるころは、バッティングというより野球をやっているという感覚自体がもう分からなくて…。『もう野球できないんじゃないかなあ』みたいな、『この世界でやってけないんじゃないかな』と思うようなこともありました」

 そんなバッティングに大きな変革をもたらしたノーステップ打法。米大リーグ・エンゼルスの大谷がきっかけだった。

 「大谷くんがメジャーで活躍して、軽いノリで池山さん(2軍監督)が『やってみい、大谷打法や!』みたいな。別にそれがいいと思ったわけでもないですし、取りあえず1回やってみようかなぐらいの感覚で始めて。やってみようと思えたのは、4月全く打てなくてどうしようもなかったから。何かきっかけがあればなと思ってやりました。タイミングが取りやすくて、一番強く振れるところで当たっているから、飛距離も変わらないんだと思います」

 開幕直後はミスもあったが、今では守備の貢献も大きい。14日の中日戦(楽天生命)でも、本塁を狙った同点の二塁走者を刺し、先発・岸を助けた。

 「守備では無理やり余裕を持ってやろうと思ってます。いい選手ぶるという言い方も変なんですけど。あのときも周りが見えていて、コーチャーが回している姿とか、二塁走者がスタートを遅れたところとか。心の余裕がああいうプレーになったかなと思って、能力的なもので刺したって訳ではないです」

 少ない出場試合で、18日現在、チームの日本人トップタイの4本塁打、最多の8盗塁。身体能力の高さを評価されるが、本人にその意識はない。

 「自分の中で全くそういう感覚はなくて。中学のときもクラス対抗のリレーとかも出られなかったですし、足が遅くて…。クラスで8番目とか。特に目立つような能力は昔から持ち合わせてない。今も僕より速い人はいっぱいいますし、全体的にずば抜けたものがない」(後編に続く)

 ◆田中 和基(たなか・かずき)1994年8月8日、福岡市生まれ。23歳。高取小1年から軟式で野球を始め、高取中まで投手。西南学院高では捕手で高校通算18本塁打。立大に進学し、1年夏に外野手転向。2年秋からベンチ入りし、東京六大学通算9本塁打、16盗塁をマークした。16年ドラフト3位で楽天入り。181センチ、75キロ。右投両打。年俸1300万円。独身。

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