【楽天】天敵・雄星に779日ぶり勝った!下位打線が“オーバーラップ”

スポーツ報知
回2死二塁、2ランを放った田中〈25〉を迎える楽天ナイン(カメラ・川口 浩)

◆西武1―15楽天(29日・メットライフドーム)

 苦節2年の末に、楽天が天敵を打ち破った。13連敗中だった西武・菊池に対し、サッカーW杯日本代表ばりの徹底したチーム戦術で5回10安打6点を奪取。平石監督代行は「去年までずっとやられている悔しさがみんなにあった」。先発全員となる今季最多21安打15点と攻撃の手を緩めず、左腕から16年5月12日(コボスタ)以来778日ぶりに白星をもぎ取った。

 下位打線がひるまず“オーバーラップ”で攻め上がった。1点リードの4回2死一、三塁で嶋が右越えに2点二塁打。「気持ちで打ちました」。菊池から16年以来11打席ぶりの快音を響かせ、続く田中が「何とかもう1点取りたい」と左中間に5号2ラン。5連打でこの回5点を加えた。

 腹をくくった。平石監督代行は「割り切って思い切ったことをやりたい。捨てるところは捨てる」。基本的に右打者は外角高め、左打者は内角に絞り、低めのスライダーは見切った。菊池に浴びせた10安打のうち8本が中堅から逆方向。初回に田中の二盗から先取点を奪うなど計3盗塁と足でも揺さぶり、左腕を5回118球で引きずり降ろした。

 同じ代打指揮官に感銘を受けた。サッカー日本代表・西野監督がポーランド戦で大胆な“逃げ切り策”を敢行。平石監督代行は「世界中からいろいろ言われ、勇気がいる。大正解というしかない」。新体制8戦目にして初の2けた得点で、対西武戦の連敗も6でストップ。「しっかり仕留めてくれた」。負ければ借金20という梨田前監督のデッドライン寸前で盛り返した。(山崎 智)

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