【日本ハム】宮西、日本人最多の273H 首位・西武に0差

スポーツ報知
600試合登板を達成した宮西は、プロ野球タイ記録となる273ホールドを記録した

◆日本ハム5―2オリックス(30日・札幌ドーム)

 日本ハム・宮西がオリックス戦で今季16ホールド目を挙げ、巨人・山口鉄に並ぶプロ野球記録の通算273ホールドをマークした。ホールドは05年からセ・パ両リーグで導入され、中継ぎ投手が同点もしくはセーブが付く条件を満たす状況で登板し、1死以上を奪い、リードを保つか同点のまま降板した場合に記録される。また、通算600試合登板も達成。チームは首位・西武にゲーム差なしに迫った。

 積み上げてきた数字に、惜しみない拍手が送られた。その中心に、お立ち台で充実した表情を浮かべる宮西がいた。3点リードの7回1死一塁からプロ通算600試合目の登板。後続を断って無失点に封じ、巨人・山口鉄の持つ273ホールドのプロ野球記録に並んだ。「まさか自分がここまでこられるとは思っていなかったので、うれしい」。記念のボードを両手に抱え、笑顔で祝福の拍手を受けた。

 昨季はパ・リーグ初、史上2人目の10年連続50試合登板を達成。偉業の根底には、若手時代に授かった“金言”があった。プロ2年目のシーズン。同僚の金子誠(現内野守備コーチ)に、こう声をかけられた。「長く生きていくのなら、いま持っているスライダーと真っすぐを磨け」。助言通り、2球種で打者を翻弄する技術を磨いてきた。この日も投じた8球中、7球がスライダー。磨き上げた伝家の宝刀で大記録にたどり着き、「その通りにやってきたら、ここまで来られた。あの助言はいまも生きています」と感謝した。

 先輩たちへのリスペクトも忘れない。過去600回の登板機会では当然、救援失敗も経験し「心が折れることは何度でもあった」。そんな時、同時代に活躍する“レジェンド”の姿が左腕を奮い立たせてくれた。「山口さんや、登板数では岩瀬さんが記録を作ってくれていたからこそ、目標として心折れずに乗り越えられた。先輩方に感謝しています」。追いかけてきた背中のひとつにこの日、並んだ。

 プロ11年目、宮西の美学は「中継ぎは目立ったらダメ」。それは危なげなく役目を終えることを理想とするからだ。次の目標は「明日も抑えること」。大きな勲章を手にした球界屈指のセットアッパーが、この日だけは主役になった。(小島 和之)

 ▼F宮西600試合登板と最多273ホールド 日本ハム・宮西尚生投手(33)は30日、オリックス戦(札幌D)でリリーフし、通算600試合登板を達成。プロ野球40人目。宮西は先発が1度もなく、すべてリリーフ登板。600試合以上連続でリリーフは、岩瀬(中)856、五十嵐(ヤ、ソ)754、藤田宗一(ロ、巨、ソ)600試合に次いで4人目。パでは初。また、今季16ホールド(H)目を挙げて、通算273H。こちらは山口鉄(巨)に並ぶ通算最多Hのプロ野球記録となった。

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