【山村宏樹一発解投】捕手変更で“別の則本”引き出せ

スポーツ報知
先発予定の5日のソフトバンク戦前日に調整を図る則本(右)。エースの復調が今後の鍵を握りそうだ

 平石洋介監督代行が就任後、楽天は6勝5敗。6月29日からの対西武3連戦では計31得点を奪った。打線は、1番から田中、茂木、島内、今江が並ぶオーダーがこのところ続いている。さらに1人置いてアマダー、また1人置いてペゲーロといった外国人選手の一発が下位打線から飛び出す。ただ、不調を脱したというより、打線の並びでうまく回っているという印象が強い。

 平石監督代行は今、勝負所をどこかに設定し、それまでに若手をいろいろ使って戦力を見極めているのだと思う。ただ、全体としては田中以外の若手の突き上げが乏しく、田中も8月は厳しくなるかもしれない。ファームの選手が“その時”のために、どれだけ準備しているかだ。

 さて、夏の反攻のためにはエース・則本の復調が不可欠だ。現在、4勝8敗。5月19日の日本ハム戦での白星を最後に、5連敗中だ。スピードガンでの数字は出ているし、球のキレも悪くない。8回を2~3点に抑えながら味方の援護に恵まれず負け投手になるなど、不運な面もある。ただ、もう1人のエースの岸と違うのは、則本は大事な場面で1球の制球ミスが出て打たれるという点だ。

 一つ思うのは、バッテリーが同じだとどうしても配球パターンが決まってしまう。打開策として、捕手を代えて“別の則本”を引き出すのも手だと思う。また、彼は独特の肩の可動域を持っているのだが、試合によってボールに角度が付くときと無いときがある。投球のメカニズムをチェックし、本来の可動域に戻してやることも必要だ。(元楽天投手、スポーツコメンテーター)=随時掲載=

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