【日本ハム】栗山監督、奥尻高野球部元主将親子と交流で英気を養う 前半戦スパート

スポーツ報知
西武戦で始球式を行う予定だった工藤千汰君(中)に声をかける栗山監督(右は工藤君の父・学さん)

 日本ハムの栗山英樹監督(57)が5日、年に一度の函館開催で英気を養った。首位・西武との一戦は降雨のため中止。ファーストピッチをするはずだった奥尻島の少年野球チーム「奥尻スカイバード」の工藤学監督(41)、千汰くん(12)と交流した。また練習後には社会人野球の発展に貢献した函館オーシャンの久慈次郎氏の墓も訪れ、必勝を祈願した。

 栗山監督は降りしきる雨のなか、スパートへの力を蓄えた。函館での西武戦は降雨のため中止に。「1年に一度の舞台。やりたい思いはあった」と残念そうに雨空を見上げた指揮官の目は、球宴まで残り5試合となった前半戦を見据えていた。

 一つの出会いが力になった。練習後、ファーストピッチを行う予定だった奥尻島から来訪した工藤さん親子と面会した。1993年7月12日に発生した北海道南西沖地震で同島は津波に襲われ、多数の死者、行方不明が出た。島唯一の少年野球チーム「奥尻スカイバード」の監督を務める父親の学さんは当時、奥尻高野球部の2年生主将。翌夏の地区大会では3勝を挙げ復興のシンボルとなった。

 地震から25年たち、息子の千汰くんは同チームの主将を務める。週末の試合で優勝すれば、札幌ドームでの大会に進むという野球少年に「札幌ドームで待ってるね。頑張ってね」と指揮官は笑顔。震災の被害から立ち上がり元気に野球に打ち込む親子の姿に力をもらった。

 練習後には、戦前の全日本チームで沢村栄治らとバッテリーを組み、社会人野球の発展に貢献した函館オーシャンの久慈次郎氏の墓も訪れ手を合わせた。6日からは球宴前、ラストスパートのロッテ、ソフトバンクとの5連戦に入る。負傷離脱中だった中島もチームに合流する見込み。胃腸炎のため3日の西武戦(札幌D)を欠場したアルシアも練習に参加し状態は上向きだ。「みんなの力を結集して勝つためにやっていく」。函館の地で決意を新たにし、指揮官は北海道をたった。

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