【日本ハム】宮西、日本新の274ホールド

スポーツ報知
10回を3人で抑え、ガッツポーズする宮西。プロ新記録となる通算274ホールドを達成する(カメラ・大好 敦)

◆ロッテ1―1日本ハム=延長12回=(6日・ZOZOマリン)

 危なげない投球の先に、偉大な記録が待っていた。同点の延長10回。宮西は2死から、最後は鈴木をフルカウントからの外角低め直球で見逃し三振に仕留めて、大きくガッツポーズ。3人並んだ左打者をわずか10球で完璧に抑え、今季17ホールド目。並んでいた巨人・山口鉄を抜き、日本新記録の274ホールドを達成した。「山口さんの記録を目標にしてここまできた。その数字を抜かせたというのはすごくうれしい」。鉄人の表情が少しだけ緩んだ。

 今年33歳を迎えた左腕は進化のための努力をいとわない。今季はより力強い球筋を目指し、15年10月の左肘クリーニング手術を受ける前の投げ方に戻した。肘の位置を4センチほど上げ「僕の感覚では上手投げ」を目指した。「打たれた時にちゃんとやってきた自信があるから、失点しても納得できる」。最高のボールを投じるために、準備を重ねた。

 試行錯誤の中で、ベテランの“金言”が後押ししてくれた。春季キャンプ中。ソフトバンクから5年ぶりに古巣・日本ハムへ戻った鶴岡に投球を受けてもらった際、ある助言をもらった。「スライダーはもっとカット気味(の変化)だったよ」。ハッとした。「自分のイメージと感覚を修正できた」と宮西。貴重な助言も受けながら、磨き上げたスライダーがこの日も輝いた。

 ベテランらしく、経験値の高さも生かした。10回に上がったマウンドは雨でぬかるんでいたが、「土を入れた方が滑る。(整備員に)砂を入れないで取ってくださいとお願いした」。狙い通り、足場のぬかるみの影響は最小限にとどめ「滑らずに投げられた」と振り返った。

 次の目標は明確だ。「300(ホールド)という数字は目標にしている。優勝するために登板が増える分にはうれしい。思い切りいきたい」。鉄人が目指すのは2年ぶりの優勝。その先には、前人未到の頂が待っている。(小島 和之)

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