【ヤクルト】山田哲、サイクル安打 セ33人目、チーム03年の稲葉以来

スポーツ報知
5回2死一塁、山田哲が左越え同点2ランを放つ

◆ヤクルト5―8巨人(9日・静岡)

 喜びの表情はなかった。5点ビハインドの9回。1死一塁から山田哲が放った右翼への打球を長野が後逸すると、快足を飛ばして一気に三塁を陥れた。

 四球を挟み、左安、左翼ポール直撃の2ラン、左越え二塁打に続く三塁打。アナウンスも花束もない中、史上66人目、チームでは03年稲葉以来のサイクル安打を成し遂げた。

 「うれしいです。三塁打を打てばサイクルっていうのは知ってましたけど、あの場面は長打はいらない。逆方向、つなぐ意識で打席に立った結果」。賛否割れたロシアW杯で日本代表がポーランド戦で見せたボール回しに「ファンとしては嫌だけど、自分ならああいう策をとる」と理解。最後まで勝負に徹した結果が快挙を呼んだ。

 2度のトリプルスリーを達成したオールラウンダーにふさわしい勲章だ。この日の舞台はルースやゲーリッグもプレーした草薙球場。「アメリカの独特の雰囲気が打たせてくれた」と高校日本選抜チームの米国遠征で人生初のサイクル安打を達成したのも無関係とは思えない。

 チームは今季3度目の6連敗。「切り替えてあしたから勝てるように頑張りたい」。喜びに少しだけ浸ると、その目はもう翌日の試合を見据えていた。(田島 正登)

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