【DeNA】桑原、サイクル安打!25歳誕生日前祝い「野球人生で一番うれしかったかも」

スポーツ報知
祝福の花束を手にする桑原

◆DeNA10―3阪神(20日・横浜)

 DeNAの桑原が阪神戦でサイクル安打を達成した。プロ野球史上72度目(67人)、セ・リーグでは37度目(34人)。球団では横浜時代の2002年にボイ・ロドリゲスがマークして以来の快挙となった。今季はソフトバンクの柳田、ヤクルトの山田哲に続いて3人目。21日が25歳の誕生日の桑原は初回先頭打者弾を左越えに運び、2回に左前安打、4回に右越え三塁打、8回に左中間二塁打を放ち、球史にその名を刻んだ。

 「僕らしく、バットを振っていこうと思ってました」。モットーである「好球必打」を貫いた。おそらくラストチャンスになる8回先頭の打席。桑原は初球の直球を鋭く振り抜いた。中堅・ナバーロが打球の処理に手間取る隙を見逃さず、一気に二塁へ。サイクル安打達成に、「野球人生で一番うれしかったかも」と白い歯がこぼれた。

 初回先頭打者アーチに始まり、左前適時打、右越え三塁打で快挙にリーチ。すべて1ボールからのファーストストライクだった。「甘い球をしっかり捉えられるようになった」。この日だけの爆発ではない。7月は46打数22安打、打率4割7分8厘と絶好調。月間3割8分9厘で月間MVPに輝いた昨年7月に続き、大好きな季節がやってきた。

 しかし、ホットな夏の前には、真冬のような不調に苦しんだ。昨年は全試合1番で出場も、今季は開幕5戦目で早くもスタメン落ち。ラミレス監督から一度は認定されたレギュラーの座を取り上げられた。

 「こういう時は誰にでも来る。自分で乗り越えるしかない」。小川打撃コーチの励ましで、腐りそうになる気持ちを奮い立たせた。今月初め、立ち直りの兆しを感じたラミレス監督は、桑原に声をかけた。「試合に出たい気持ちが湧いてきただろ?」「出たいです!」。その直後、3日の巨人戦(東京D)から始まった連続試合安打は、自己最長の11試合に伸びた。

 「試合に出るのが当たり前じゃないことに気づかされた」と振り返った背番号1。「だから、出た試合では最高のものを出していきたい」。21日には25歳の誕生日を迎える。生まれ変わったリードオフマンが、後半戦の主役になる。(星野 和明)

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