【楽天】山下プロ1号が延長サヨナラ2ラン

スポーツ報知
11回1死一塁、サヨナラ2ランを放った山下(右)は島内らナインから祝福される

◆楽天10x―8日本ハム=延長11回=(24日・楽天生命パーク)

 最高の当たりが夜空に消えていった。同点の延長11回1死一塁。山下が振り抜いた打球は、右翼席中段に突き刺さった。プロ8年目で初本塁打が、値千金のサヨナラアーチ。打った瞬間両手を挙げた山下は「本当に初ホームランがサヨナラになってうれしいです」と興奮気味に声を張り上げた。

 10年のドラフト1位で習志野高からソフトバンクに入団。高校時代には巨人・阿部の父で同校OBの東司さんからも助言をもらい、「阿部2世」や「城島2世」などと期待をかけられた。だが同年の育成ドラフト6位の甲斐が活躍するのを横目に、昨オフにトレード移籍。登録名も斐紹から山下に変えた。打撃力を買われ一塁や三塁での起用もあったが、捕手のプライドを秘める。今でも関係者を通じて手にした阿部、城島のミットを大切に使うほど。この日も9回からマスクをかぶり3投手をリード。正捕手・嶋の牙城は高いが「打撃でアピールできたので、捕手にこだわってやりたい」と改めて決意を口にした。

 代わってホークスに入団した西田は今月上旬に3試合連続本塁打。当時2軍でもがいていた山下は「なんで来たのかとファンの方に思われてしまう」と悔しさが募った。ベンチに残ったのは投手2人だけ。5時間7分の総力戦。輝いた25歳を平石監督代行も「素晴らしい一発だった」とたたえた。(安藤 宏太)

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