【日本ハム】栗山監督、堀のプロ1勝を予感したフクロウとの出会い

スポーツ報知
プロ初勝利を挙げた堀(左)は、栗山監督から祝福され笑顔を見せる

◆日本ハム3―0オリックス(28日・札幌ドーム)

 大歓声を一身に浴びた。満員の大観衆が拍手を送る中心に日本ハム・堀がいた。プロ初勝利をつかんで立った初のお立ち台。「すごくうれしい。打者と勝負できた結果こうなったのかな」。ウィニングボールを手にした20歳の顔に笑みがはじけた。

 持ち前の強心臓で相手打線を封じた。最速144キロの直球で右打者の内角を強気に突いた。5回は2死満塁とされたが、大城を139キロ直球で遊ゴロに仕留めた。5回1/3を投げて2安打無失点の快投だった。

 昨年は1軍で4試合に登板。今年3月は侍ジャパンにも選ばれたが、スランプに陥った。「1軍にいなきゃと自分を追い込み過ぎた」。フォームも崩れ、4月下旬~5月上旬には2試合で12失点。「何をしているんだろう」。どん底だった。

 不調の原因は考え方にあった。「先発は長い回を投げなきゃいけない」とペース配分を考えるあまり、打者との対戦が中途半端になっていた。そんな時、加藤2軍投手コーチの金言が響いた。「中継ぎのつもりで1回を大事に投げて、気付いたら長い回を投げられた」。以降、2軍で5月はプロ初完封も含む3戦3勝、失点は0。本来の輝きが戻った。

 若き左腕の快投で2連勝とし、首位・西武と2ゲーム差。栗山監督は「昨日、久々にフクロウを見た。絶対、明日は勝つだろうなと。堀ってフクロウに似てるじゃん」と喜んだ。満員の球場の中心で堀は記念球を見つめて言った。「よく頑張ったなって思う。(ボールは)実家に送りたい。『勝ちましたー!』って」。北の大地で、ニューヒーローが誕生した。(小島 和之)

 ◆堀 瑞輝(ほり・みずき)1998年5月10日、広島・呉市生まれ。20歳。広島新庄高では1年夏からベンチ入り。2年夏の甲子園は1勝。3年夏は2勝し、チームを初の16強に導いた。高校日本代表にも選出され、U―18アジア選手権ではリリーフで優勝に貢献。巨人・田口は3学年先輩。16年ドラフト1位で日本ハム入団。177センチ、80キロ。左投左打。年俸800万円。

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