元南海監督・穴吹義雄氏、85歳で死去 小説「あなた買います」モデル

スポーツ報知
83年、試合に勝利し声援に応える南海・穴吹義雄監督

 南海(現ソフトバンク)で監督を務めた穴吹義雄氏が7月31日午後0時6分、敗血症のため大阪・堺市内の病院で死去したことが4日、分かった。85歳だった。葬儀は近親者で執り行われた。

 中大3年秋と4年春に東都リーグの首位打者に輝くなど強打で注目を集め、4年時の55年はプロ球団による空前の大争奪戦に発展した。巨人、西鉄(現西武)をはじめ、多くの球団が獲得に参戦。早くから決めていた南海に入団したが、この“札束攻勢”は小説「あなた買います」のモデルとなり、同タイトルの映画(56年・小林正樹監督)もヒットした。

 56年3月21日の阪急(現オリックス)との開幕戦でサヨナラ本塁打という衝撃デビュー。61年の巨人との日本シリーズ第1、2戦で2試合連続本塁打を放つなど、大舞台で勝負強さを発揮し、68年限りで現役引退した。

 1軍打撃コーチを経て、73年から10年間、2軍監督。ブレイザー監督退任後の83年に1軍監督に就任。82年に近鉄を解雇されて大阪府内のバッティングセンターでアルバイトをしながら練習していた山本和範(カズ山本)を南海に入団させるなど、人情味あふれる性格で慕われた。3年連続Bクラスで85年限りで退任した。

 南海の後身のダイエーの編成部長を務め、近年はボーイズリーグ「大阪南海ボーイズ」の名誉会長として少年野球の発展にも貢献した。

 ◆穴吹 義雄(あなぶき・よしお)1933年5月6日、香川県生まれ。高松高から中大を経て56年に南海入り。実働13年で1166試合に出場し、814安打、89本塁打、404打点、打率2割6分4厘。右投右打。監督としては、77年の野村監督解任後の2試合を含めて通算392試合で150勝211敗31分け。

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