【広島】誠也、ピースナイターで1発含む3安打で“首位打者”「こういう試合を勝てたのは良かった」

スポーツ報知
3回無死、鈴木(右)が18号ソロを放ち、ベンチ前で祝福を受ける(カメラ・保井 秀則)

◆広島6―2中日(7日・マツダスタジアム)

 “8月男”の勢いが止まらない。4―0の3回、先頭の鈴木は中日・ガルシアから右越えに18号ソロを放ち「良い風に乗ってくれました」と喜んだ。8月は6試合で4本目。22打数14安打10打点で打率は驚異の6割3分6厘だ。シーズン打率も3割3分1厘で、中日・平田、巨人・坂本勇を抜いて、首位打者に浮上した。

 4月に下半身の張りで出場選手登録を抹消。7月16日の中日戦では自打球を左すねに当てて2試合を欠場した。だが、自身の生まれ月(18日)であり、広島の人々にも特別な8月に突入して調子を上げてきた。「首位打者? 自分のことはどうでもいいです」とタイトルには興味を示さないが、存在感は高まる一方だ。

 丸も初回無死一、二塁で先制の中前適時打を放つなど、2安打2打点。西日本豪雨の発生から1か月だった6日に、被災者への義援金として個人で1000万円を日本赤十字社へ寄付した。豪雨で知人が被災し、改めて災害の恐ろしさを感じたという。千葉県出身だが「広島に11年間、育ててもらったというのもあります」という思いを、寄付でもバットでも形にした。

 原爆の日(6日)前後に開催している「ピースナイター」は今年で11年目。選手たちは、原爆ドームとマツダスタジアムがデザインされたワッペンをユニホームの右袖に着け、平和への思いを胸に戦った。鈴木は「こういう試合を勝てたのは良かった」とかみしめた。

 昨季に並ぶ球団史上最速日(8日)の点灯はならず、マジック点灯は9日以降となったが、貯金は今季最多の19。つらい過去や災害を乗り越えていく広島とともに、カープもVへと歩み続ける。(種村 亮)

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