【楽天】アマダー、ドーピングで6か月出場停止も意図的摂取否定「調査には全面的に協力する」

スポーツ報知
楽天・アマダー

 日本野球機構(NPB)は9日、楽天のジャフェット・アマダー内野手(31)がドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示したため、同日から19年2月8日まで6か月の出場停止処分を科したと発表した。利尿薬、隠蔽薬のクロルタリドンとフロセミドが検出された。NPBが同検査を本格導入した07年以降、違反の発覚は7年ぶり5人目。アマダーは意図的な摂取を否定している。楽天は再調査後に事実関係と処分内容を公表する予定だ。

 NPBアンチ・ドーピング調査裁定委員会によると、アマダーは6月13日の中日戦(楽天生命)後に尿検体を採取され、7月23日に分析機関からクロルタリドンとフロセミドの検出報告があった。ともに利尿薬、隠蔽薬として禁止物質に指定されている。

 同30日のヒアリングでアマダーは意図的な摂取を否定し、摂取ルートについては不明と説明したという。本人の希望で8月1日に再分析を実施したが、同2日に再び同じ物質が検出されたと報告されたため、8日のNPBアンチ・ドーピング調査裁定委員会で8月9日から19年2月8日まで6か月間の出場停止処分が決定。この日、球団を通じて本人に通告された。異議申し立てをする場合は22日が期限となる。

 利尿作用のあるクロルタリドンとフロセミドは、その他の禁止薬物を隠蔽するためのものとして、禁止物質に指定されている。今回の検査で陽性反応を示した禁止物質は2種類のみで、NPBによると、検出された2種類以外は痕跡さえないという。

 アマダーは球団を通じ、「興奮剤や筋肉増強剤などを利用したこともなく、利尿剤や隠蔽薬を利用することも考えられません。今回の陽性反応には大変な驚きとともに、身に覚えのないことでとても不安でもあります。引き続き原因追及のための調査には全面的に協力していく所存です」とコメント。楽天はアマダーを自宅謹慎とし、本人が身に覚えがないと主張していることを踏まえ、摂取物などを再調査後に事実関係と処分を公表するとした。

 来日3年目のアマダーは今季ここまで62試合に出場し、打率2割6分9厘、20本塁打、42打点。4、5月は打率1割台と低迷したが、6月に打率3割6分4厘、4本塁打、13打点をマーク。7月は球団の外国人最多記録となる月間11発を放ったが、8月3日に右脇腹痛で出場選手登録を抹消されていた。

 ◆ジャフェット・アマダー(Japhet Amador)1987年1月19日、メキシコ生まれ。31歳。07年にメキシカンリーグでプロデビュー。13、14年にはアストロズ傘下3Aでプレーしたが、メジャー経験はなし。15年はメキシカンリーグで本塁打、打点の2冠王に輝きMVPを受賞。16年に楽天入団。3年間での通算成績は222試合に出場し、打率2割5分、52本塁打、126打点。193センチ、135キロ。右投右打。年俸6000万円。家族は夫人と1男1女。

 ◆NPBのドーピング検査 国際的なアンチ・ドーピングの流れを受け、07年から本格導入。禁止薬物、検査方法は国際基準と同様で検査日は非公開。17年からは血液検査も実施している。抜き打ち検査が前提で、昨季は年間100件以上行われた。検査対象試合は開始1時間前までに当該球団へ通知され、5回終了時にくじ引きでベンチ入り選手から検査を受ける者を選ぶ。違反者への制裁は〈1〉けん責〈2〉10試合以下の公式戦出場停止〈3〉1年以下の出場停止〈4〉無期限の出場停止の4段階。球団関係者が関与した場合は1000万円の制裁金が科される。

 ◆クロルタリドンとフロセミド ともに利尿作用のある薬物。一般的には血圧を下げる降圧薬などとして投与される。ダイエット効果もあるとされる。尿を多く出すことで体内の禁止薬物を体外に排出することができるため、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)から「利尿薬および隠蔽薬」として禁止薬物に認定されている。

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