【中日】吉見、6年ぶり完封…3安打無四球でチームの連敗止めた

スポーツ報知
スタンドのファンとハイタッチを交わす吉見

◆中日3―0ヤクルト(10日・ナゴヤドーム)

 勝利球をビシエドから受け取ると、吉見は顔をクシャクシャにして笑った。「まさか完封できるとは。でも、それより無四球。チームとしてできてなかったので良かった」。2012年8月8日の広島戦(ナゴヤD)以来、2193日ぶりの完封勝利。打っても4回に2年ぶり安打となる先制打を放ち、チームの連敗を5でストップ。大きく息を吐いた。

 絶好調の山田哲を3打席無安打に封じた。初回は内角攻めで中飛。2打席目は一転、外角攻めで遊ゴロ。7回の3打席目は追い込んでから外の球を見せ、最後は内角のボールゾーンからストライクゾーンに入るスライダー、いわゆるフロントドアで三振に仕留めた。「外一辺倒では抑えられない。松井雅に『こういう攻め方はどう?』と聞いたら『いや~』という感じだったんですが、あの場面でサインを出してくれました」。女房役の勇気をたたえた。

 森監督も「5連敗して死にかけたところで、地元で生き返った。吉見の完封は皆さんも私自身も期待してなかった」とジョークで称賛した。08年から12年まで5年連続で2ケタ勝利を挙げながら、度重なる故障で不遇の時を過ごした元エース。かつて安定感抜群だった投球がよみがえった。(田中 昌宏)

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