【阪神】原口、新・代打の神様だ! 8回、同点打で広島のマジック点灯阻止

スポーツ報知
ヒーローインタビューで、福留(左)、糸井(右)のベテラン2人から両手を上げられ笑顔を見せる原口(カメラ・小梶 亮一)

◆阪神7―4広島(14日・京セラドーム大阪)

 原口は極限まで集中力を研ぎ澄ませた。1点を追う8回1死一、三塁。代打で登場すると鬼の形相で打席に立ち、フルカウントから今村のフォークに食らいついた。打球は詰まりながらも中前に落ち、同点の走者を迎え入れた。塁上で何度も手をたたいて喜んだ。

 「ランナーをかえすことだけ、ヒットを打つことだけを考えました。きれいなヒットではないですけど最高のヒットになってよかった」。福留の押し出し四球、糸井の2点打まで出て、この回4得点。首位・広島のお株を奪う逆転劇に金本監督は「相手にいつもやられている勝ち方」としてやったり。目前での優勝マジック点灯を阻止した。

 プロ9年目が虎の新たな“代打の神様”に定着してきた。今季代打で34打数17安打。驚異の打率5割で13打点を挙げている。「出たときに結果を出すだけなので」。昨季の一塁から今春キャンプは捕手に戻った。まだ未練は残るが、今は代打の切り札として与えられた場所で黙々と仕事をこなす。2008年に桧山進次郎がマークしたシーズン代打最多安打の球団記録「23」にあと6に迫った。

 原口の勝負強さに指揮官も脱帽だ。「ここ一番で最高の集中力といいますか。しぶとさといいますか。毎回毎回いい仕事してくれています」と褒めちぎる。8月は7勝3敗と勝ち越している。原口は「一つでも上にいく気持ちがチームにある。負けられない」と表情をさらに引き締めた。(長尾 隆広)

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