【楽天】藤平、2軍生活乗り越え「松坂さんと同じ日に」白星 母校・横浜高8強前祝い

スポーツ報知
最後を締めたハーマン(右)を出迎える藤平。8回途中2失点の好投で3勝目を挙げた(カメラ・保井 秀則)

◆ソフトバンク2―3楽天(16日・福岡ヤフオクドーム)

 小さくグラブをたたき、若々しくベンチまで走って行った。1点リードの7回2死二塁。藤平は、低めのチェンジアップで牧原から空振り三振を奪った。「ピンチだったけどここを抑えれば流れに乗ると思った」。プロ最長8回1死まで投げて、6安打2失点で3勝目。ボールを低めに集める丁寧な投球で、快投を見せた。

 5月から約3か月の2軍生活を乗り越えての2連勝。ファームでも「常に1軍で投げることを考えていた」と練習終了後も遠投やシャドーピッチングなど自主練習を欠かさなかった。登板後にはトラックマンのデータを必ず確認。ボールの回転数、回転軸、リリースポイントなどを則本や岸のデータと比べながらもがいた。

 自身の母校でもある横浜高が、松坂(中日)を擁して甲子園春夏制覇を果たした98年の9月に生まれた藤平。同校ではコーチ陣から「松坂の時はこうだった」「涌井(現ロッテ)はもっと速く走った」などと、大先輩の行動や数値をたたき込まれ、身近にスターの影を感じてきた。18歳差の松坂と同日の白星。「松坂さんは特別な方なので、同じ日に投げて同じ日に勝ててうれしいです」と誇らしげだった。

 プロ2年で挙げた6勝のうち5勝が連敗ストップ。昨季は終盤に6連敗と10連敗を止めた背番号19が、この日も負ければ自力でのCS進出の可能性が消滅する一戦で3タテを阻止してみせた。平石監督代行も「チームみんなが、将来はこれまでのエースに並ぶ存在になると認めている。今年は苦しんでいたけどこの場に戻って来られてよかった」と目を細めていた。(安藤 宏太)

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