【日本ハム】宮台、東大出身初の初登板初先発も勝利ならず「ゲームは作れたかな」

スポーツ報知
プロ初先発で5回途中2失点の好投を見せた宮台(カメラ・森田 俊弥)

◆日本ハム2―6ソフトバンク(23日・東京ドーム)

 2点リードされた5回2死一塁。日本ハム・宮台は、中村晃に四球を与えたところで交代を告げられた。東大出身では初となる、初登板初勝利はならなかった。4回2/3を投げて4安打2失点。「打者に向かっていこうと決めていた。それができていたのでゲームは作れたかな」。左腕の背中に、大きな拍手が送られた。

 東大出身投手の先発登板は1967年の井手峻(中日)以来51年ぶり3人目。登板前日の22日。東京Dのグラウンドに現れた左腕は、マウンドへ直行した。客席を見回した後、三塁線でバント処理を見越して人工芝の滑り具合をチェック。さらに、ベースカバーを想定して右足で一塁ベースを踏みながら確認を繰り返した。「雰囲気を感じながら練習できた」。準備は整っていた。

 東京Dは、何度も観戦に訪れた。16年11月の侍ジャパン強化試合・オランダ戦で大谷翔平(現エンゼルス)が右中間へ特大弾を放った場面も見た。「すばらしい球場。お客さんが入ったら緊張感があると思う」。憧れの舞台で両親、高校時代の恩師に成長した姿を見せた。

 勝ち負けは付かず、東大出身51年ぶりの白星はならなかった。チームは今季初の5連敗で3位に転落。自力優勝の可能性も消えたが、宮台が結果を残したことは明るい材料だ。試合後、登板機会がないため2軍降格が決まったが「これからは結果を求められる。今日、分かったことを次に生かしていきたい」。初勝利の日は、きっと遠くはない。(小島 和之)

 ◆宮台 康平(みやだい・こうへい)1995年7月1日、横浜市生まれ。23歳。戸塚小3年生から野球を始め、戸塚中では軟式野球部に所属。湘南高では県大会8強が最高。東大文科1類に現役合格し、法学部卒業。1年秋にリーグ戦初登板。大学日本代表にも選出。178センチ、83キロ。左投左打。家族は両親と弟2人。年俸750万円。

 ◆東大出身のプロ野球選手

 ▼新治(にいはり)伸治 ドラフト制前の1965年に大洋に入団。プロ通算89登板で9勝6敗。

 ▼井手峻(たかし) 66年2次ドラフト3位で中日に投手として入団。通算17登板で1勝4敗。68年に外野手転向し、359試合で打率1割8分8厘、1本塁打、2打点。

 ▼小林至 91年ドラフト8位でロッテに入団した左腕。プロ生活2年で1軍出場はなし。

 ▼遠藤良平 99年ドラフト7位で日本ハム入団。通算1登板で勝敗なし。

 ▼松家卓弘(まつか・たかひろ) 04年ドラフト9巡目で横浜入団。10年に日本ハム移籍。通算14登板で0勝1敗。

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