【ヤクルト】山田哲30号!トリプルスリーへ1つクリア

スポーツ報知
1回2死、30号本塁打を放ちナインとタッチする山田哲(カメラ・清水 武)

◆ヤクルト3―6DeNA(24日・神宮)

 神宮の夕空に白球が舞い上がった瞬間、誰もがその到達点を確信した。1点を先制された直後の初回2死。山田哲が捉えた打球は、美しい放物線を描いて左翼席に吸い込まれた。同点にする2戦連続の一発は2年ぶり、自身3度目の30号に到達した。日米でもB・ボンズしか達成していない3度目のトリプルスリーへ、まずは“第一関門”をクリア。チームの日本人で3度の30発は池山の5度、岩村の3度に次いで3人目だ。

 「しっかりためて自分のスイングができました。(30号は)うれしいですけど、まだまだあるので」。前夜の広島戦(マツダ)は満塁アーチを放ちながら、7点リードを逆転サヨナラ負け。ダメージの残る中、早朝から長時間移動で帰京した。夏の連戦が続くことから、この日は主力がフリー打撃を免除。試合直前のシートノックも一切行わず、疲労軽減に努めた。

 目指す頂はさらに上にある。プロ野球記録に王手をかけた12試合連続打点をマークした8月上旬、履正社高の岡田龍生監督からメールが届いた。「すごい打者になりましたね」。簡潔な返信は決意に満ち、称賛した恩師を驚かせた。「ありがとうございます。まだまだこれからです」。華々しい記録をどれだけ残しても、さらなる高みを目指す向上心が飛躍を支えている。

 何より勝ちたかった。4回2死満塁、6回1死一、二塁の好機では凡退し、チームは3連敗。3位に転落した。「打ちたかったけど、相手のあることなので。切り替えて頑張ります」と厳しい表情。打率3割2分、28盗塁。偉業を成し遂げる“その時”は確実に近づいている。(田島 正登)

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