【楽天】石井一久GM、金足農・吉田輝星の1位指名示唆 くじ引きは「黄金の左手」

スポーツ報知
GM就任会見で立花社長(右)と握手する石井氏

 9月1日から楽天のゼネラルマネジャー(GM)に就任する石井一久氏(44)が27日、仙台市内で会見を行った。夏の甲子園で準優勝を果たした金足農の150キロ右腕・吉田輝星(こうせい)投手(3年)を1位指名する可能性を示唆。立花陽三社長(47)は競合となった場合に、くじ引き役を託すことを明言した。

 最初の“大仕事”へ石井氏は、目を輝かせた。この日の会見前に、スカウト会議に出席。東北・秋田出身の金足農・吉田がドラフト1位候補であることを確認した。

 「12球団で12人しか選ばれない1位候補の一人という評価。素晴らしい選手。ぜひ東北でプレーしていただければとすごく思う。こればっかりはご縁なんで。(秋田から)通過して東京へ行っちゃうかもしれない。何とか仙台で降りていただきたいなと思います」

 独特の「一久節」でラブコールを送った。10月のドラフト会議では複数球団の競合が予想されるが、立花社長は15年から3連敗中のくじ引き役に「そのために来てもらった」と石井氏を指名。日米通算182勝を挙げた「黄金の左手」に運命が託されることになった。

 吉田に熱視線を送るのは、構想にフィットする逸材だからだ。楽天は今季、開幕から低迷が続きここまで最下位。チーム立て直しへ向けて「生え抜きのスーパースターの選手を育てることが大切だと思う」と訴えた。吉田はかつて13年に田中(現ヤンキース)が球団初の日本一に導いたように、高校時代から日本中が注目する好素材。さらに東北出身とあれば、文句はないだろう。

 引退後は野球評論家として活動し、コーチなどの現場経験はなくGMに就任。経験不足も不安視されるが「自信がなかったらやらない。やるからには責任を持ってやりたい。僕は一応勝負師なので、やるからには勝ちたい」と力強く言い切った。

 チームの現状は「投高打低という感じ」と分析。勝率は12球団最低ながら、防御率は3・67でトップ。11位にとどまるチーム打率2割4分1厘が来季への課題とあって、ドラフトも吉田に絞らずに、今後も注視していく見込みだ。チーム再建へ、早くも動き出した。(安藤 宏太)

 〇…石井新GMは、これまで野球評論家と並行して行っていたタレント活動の今後について「ファンの人に怒られちゃうでしょう」と自粛していく考えを示した。マネジメント契約を結んでいる吉本興業との契約には「どうなんでしょう」と明言を避けた。

 ◆石井 一久(いしい・かずひさ)1973年9月9日、千葉県生まれ。44歳。東京学館浦安から91年ドラフト1位でヤクルト入団。98、00年に最多奪三振、00年には最優秀防御率。01年オフにドジャース移籍。05年メッツも含め4年間でメジャー通算39勝。06年にヤクルト復帰、07年オフにFAで西武に移籍し、13年限りで現役引退。日米通算524試合に登板し、182勝137敗1セーブ、防御率3.80。左投左打。妻はフリーアナウンサーの木佐彩子さん。

 ◆楽天のドラフト 創設3度目の06年高校生ドラフトで当時の島田社長が田中を4球団の競合から引き当てて、エースに育て上げた。立花社長が就任してからは12年から森(2球団)、松井(5球団)、安楽(2球団)と3年連続でくじを引き当てたが、昨年は清宮、村上と2連敗するなど15年から3連敗中。くじを外して岡山商大・近藤を指名した昨年も含めると、12年から6年連続で1位は高校生を指名。

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