【西武】雄星、3年連続10勝「ストライク先行で投げられた」

スポーツ報知
7回無失点で3年連続となる10勝目を挙げた菊池(カメラ・義村 治子)

◆オリックス0―1西武(31日・京セラドーム大阪)

 西武・菊池が3年連続の10勝に到達した。猛牛打線に7回5安打無失点で7奪三振。西武の左腕が3年連続で2ケタ勝利を挙げるのは、工藤公康以来2人目だ。メジャー球団のスカウトが熱視線を送る中で力投し、チームを3連勝に導いた。

 大きく息を吐いた。菊池は最後まで落ち着いていた。「ストライク先行で投げられたので、ピッチャーの有利な方向に持って行けた」。1点リードの7回。武田、マレーロをスライダーで2者連続空振り三振に仕留め、若月を二ゴロに封じ3人で片づけた。女房役の炭谷が挙げた1点を守りきり、「いつも銀(仁朗)さんには助けられているので、この1点を守り抜こうと思っていた」と力強く言った。

 バックネット裏で米11球団のスカウトが見つめる中、98球を投げ7回5安打無失点7奪三振。3年連続3度目の2ケタ勝利を手にし、「意識していないと言ったらウソになる。これで数字のこだわりもなくなったので、チームのためだけを考えたい」と力を込めた。

 突然のアクシデントもうまく乗り越えた。2回途中。23球を投げた時点で、左脇腹付近がつった。直後は「つっていたので投げた瞬間の多少の痛み、怖さはあった」。一度ベンチへと退いたが、続投を決意。その後は水分、塩分を多く取ることを心掛け「問題なく投げられた」。大事をとって7回での降板となったが、「去年のいい時に近いボールが投げられている」と納得の表情を浮かべた。

 「8時間睡眠」の熟睡が雄星の体を支えている。規則正しい生活を心掛け、興奮して眠りにつけない登板後でも「水風呂に入って深呼吸をしたら寝付けますよ」と笑う。ソフトバンクに敗北を喫した前回の登板後も、すぐに眠れたという。勝っても負けても引きずらない。次に向けての準備は登板直後から始まっている。

 辻監督は「スライダーも切れていたし、粘り強く投げられていた」と評価し、土肥投手コーチは「ブルペンの時から調子が良すぎるくらいだった」と絶賛した。今季初の1―0勝利で、チームは3連勝。貯金は今季最多タイの23だ。「残り試合は全部勝つつもりでがんばりたい」と雄星。絶対的エースが、その左腕で頂点へと導く。(小林 圭太)

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