【広島】今季限りでの現役引退を発表した広島・新井の一問一答

(冒頭)「今シーズン限りで現役を引退することに決めましたので、報告させてもらいます」
―球団に意思を伝えたのは
「8月の初めですね」
―経緯は
「自分の中では早い段階でそういうふうに決めようと考えていました。8月に入ってすぐ、(球団本部長の)鈴木さんに引退させてもらいますと伝えしました。鈴木さんは『考え直せ』『まだ辞めるな』と言って頂き、1か月間、『考え直してくれ』と言って頂いたんですけど、8月いっぱいまで考えて自分の気持ちが変わることはなかったので、そうお伝えしました」
―気持ちが固まったのは?
「これと言った決定的なタイミングはちょっとなかったんですけど、だんだん自分のことを考えてそろそろかなと考え出したのが交流戦が終わったぐらいですね」
―この1か月間、気持ちが変わらなかった理由は
「やっぱり今、若手がすごく力をつけてきていますし、これからの2、3年後、5年後のカープのことを考える時に今年がいいんじゃないかなと考えました」
―決意をされた率直な気持ちは
「自分の中では2015年にカープに戻ってきてから、とにかくカープのために少しでも力になりたいと思って帰ってきました。1年間やって力になれなかったらすぐやめようと思って帰ってきた中で4年間もやらして頂いた。また優勝もさせて頂いた。本当に周りの方に感謝の気持ちしかないです」
―相談されたのは
「黒田さんには早い段階で、そういう気持ちですと伝えていました。あと石原にも伝えていました」
―黒田さんは
「ほんまかというのが第一声でした」
―ボロボロになってもやれ、と黒田からは伝えられていたが
「最初、(黒田さんは)『まだできるだろう』という感じだったんですけど、しゃべっていくうちに『お前が決めたことなんだから、あとは最後までお前らしく頑張れ』と言って頂きました」
―石原選手は
「石原は何も言葉を発することなく、ショックそうな感じでしたね」
―何か言葉は
「今、ベテランは僕と石原ぐらいですかね。あと石原だけになってしまった。まだまだお前の力が必要だと思うし、少しでも長く頑張れよという話をしました」
―ご家族には
「子供に伝えた時は『なんで?』という反応でした。辞めてほしくなさそうな表情でしたね」
―「なんで?」というのはファンも思っている
「本当にマツダスタジアムだけに限らず、どこの球場でも打席に立つたびに大歓声を頂いた。そういう中で今年は自分がなかなか喜ばせてあげることができていない。そういうことも含め、申し訳ないと思いますし、25番のユニホームを着て応援して下さる方もたくさんおられる中で、今年でユニホーム脱ぐというふうに決断したので、そういう方たちにも、申し訳ないな、と。何て言うんですかね。そういう人たちを悲しませるのは申し訳ないなと言う気持ちですよね」
―ここまでプロ生活を続けたこだわりは
「自分は別に大したセンスもないし、練習することでここまで来させて頂いた、本当に運がいいというか、周りの方の出会いに恵まれた運のいい選手だったと思います」
―恩師は
「本当にたくさん、数え切れないくらいおられる。山本浩二さんは一番、迷惑かけた監督だった。先ほども事前に連絡して、気持ちはつたえました」
―当時の4番と監督としていろいろ話もされたと思うが
「よく頑張ったなと。最高の引き際じゃないのかと言ってもらいました」
―昨日(4日の阪神戦)でも痛烈な左前安打があった。技術面での満足度、納得度は
「もちろん満足はしていないですね。ただ気持ちが折れることはないですね。毎回毎回、たくさん大きな声援を頂いていた。最後にちょっとでも喜んでもらいたいなという気持ちでプレーしていた」
―まだシーズンはあるし、3連覇がある。このタイミングは
「すべては球団の方にお任せしていました。自分としては全部終わってからでもよかったんですけど、やっぱり発表してたくさんの人に見てもらった方がいいからと言ってもらったんで、このタイミングになりました」
―日本シリーズまで試合が続くが
「もちろん結果で喜ばせたいと思っていますし、最後の最後まで全力疾走で駆け抜けたいと思います」
―日本一に向けての思いは
「最後、日本一になって、みんなとうれし涙で終われれば最高かなと思います。自分もそこに何とか力になれるように最後の最後まで全力で戦いたいと思います」
―晴れやかに見える
「そうですね。まだまだ試合は続きますし、本当、ここまでやらせて頂いた、ありがとうございますという気持ちでそうなっている。誰でもいつでも別れというものは、さみしいという思いもあります」
―今後のチームには? 「若い選手は本当、チャンスだと思って欲しい。そこでまた競争が生まれる。カープのこれからの強さにつながっていく」
―今のチームはどう映っている?
「ポテンシャルの高い、いいものを持った若い選手が多いなと感じますね。その中でもポテンシャルが高いというのも大事なんですけど、素直で性格の多い子が多い。かわいい後輩たちですね」
―ファンに対しては?
「戻ってきた時にまさかここまで応援して頂けるとは思っていなかった。本当に帰って来て初めての開幕戦での代打での打席は生涯忘れることはないですし、そのたくさんの声援を送って下さるファンのために喜んでもらいたい気持ちがあって、ここまで体が動いてくれたんじゃないかと思います」