【ロッテ】井上、球団日本人では井口以来5年ぶり20号 裏側にあった「涌井の助言」

スポーツ報知
2回1死一、二塁、井上が左中間へ3ランを放つ(カメラ・川口 浩)

◆西武9―13ロッテ(8日・メットライフドーム)

 ロッテの井上晴哉内野手(29)が、球団では2013年の井口(現監督)以来となる日本人20号を放つなど3安打、4得点の活躍。今季最多13得点のチームをけん引し両軍合わせ24安打の乱打戦を制した。

 これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らした。井上が球団では2013年の井口以来となる日本人20号に到達した。「ずっと井口さんの背中を追ってきた。打てて本当によかった」。5―0の2回1死一、二塁で左中間席最深部に3ランをぶちこんだ。8月7日のソフトバンク戦(ZOZO)以来、24戦101打席ぶりのアーチに笑みがこぼれた。

 この日は6回先頭で左中間二塁打でチャンスメイク。その後三塁まで進み、藤岡の右犠飛で決勝ホームを踏んで「足でも貢献できた」と分厚い胸板を張った。3安打4得点の大暴れで打率は2割9分3厘まで上昇。83打点と本塁打を合わせチーム3冠だ。

 自己最高の数字を更新し続けている裏側には「涌井からの助言」があった。5月中旬。エースとの雑談中に相手先発左腕の狙い球を聞かれた。とっさに出たのは「外角のシュート」。何も考えずに出したアジャの答えに涌井は鋭い指摘をした。「投げてくる確率が一番少ない球を打ってどうする。この投手が何でストライクを取ってくるのか。例え変化球が7種類あっても、2つに絞ればいい。相手が投げたい球種を考えないと」

 投手目線に立つ―。これまでの自分の考えにない言葉は“目からウロコ”だった。毎年5月以降に成績が下降線をたどり、2軍暮らしに入る“春男”は「配球の読み」が飛躍的に当たるようになったこの時から快進撃が始まった。

 一時は8点差を逆転されたが、今季最多13得点で打ち勝った一戦。仕事を全うした4番は「ようやく“呪縛”から開放された」と高らかに笑って帰りのバスに乗り込んだ。(長井 毅)

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