【西武】車いすの「仮面女子」猪狩ともか、炭谷との縁で始球式「絶対優勝して」

スポーツ報知
始球式を務めた仮面女子の猪狩ともか(カメラ・堺 恒志)

◆西武6―2ロッテ(9日・メットライフドーム)

 お立ち台の栗山は、ファンに共闘を呼びかけた。「(優勝が)近づいている感じはある。皆さんといい雰囲気を作って戦っていきたいです」。2安打2打点で勝利に貢献し、2位との4ゲーム差を死守。沸き上がる観客席には、快勝を喜ぶ1人のアイドルがいた。

 アイドルグループ「仮面女子」の猪狩ともか(26)。4月に強風で倒れた案内板の下敷きになり、腰の骨を折るなど大けがを負った。脊髄損傷で車いす生活となった猪狩はこの日、始球式を務めた。炭谷との縁がきっかけだった。今季途中、炭谷はある場所で偶然「銀仁朗さん」と声をかけられたという。笑顔の女性からアイドル活動をしていること、西武ファンであること、事故前(17年)にメットライフで始球式をしたこと、車いす生活になることを打ち明けられた。

 つらい現実に直面しながら応援してくれるファンがいる―。チーム全員が思いを共有した。炭谷の呼びかけで所狭しと各選手のサインが入ったユニホームをプレゼント。試合では競り合いを制し、勝利も贈った。

 埼玉出身でメットライフDでアルバイト経験もある猪狩は「感無量です。入院中も試合を見てました。絶対優勝してほしい。ライオンズ頑張れ!」と笑顔でエールを贈った。10年ぶりの歓喜を待つファン一人ひとりのため、辻西武は思いを一つに駆ける。(宮脇 央介)

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