【日本ハム】マルティネス、1年目10勝「北海道としても大きな勝利」

スポーツ報知
7回5安打1失点の粘投で10勝目を挙げた日本ハム・マルティネス

◆楽天1―3日本ハム(9日・楽天生命パーク)

 日本ハムのニック・マルティネス投手(28)が、北海道に地震後初白星をもたらした。9日の楽天戦(楽天生命)で先発した右腕は、7回5安打1失点(自責0)で10勝目。チームの外国人投手が1年目で2桁勝利を挙げたのは2010年のケッペル(12勝)以来、2人目の快挙となった。

 北海道への思いを胸に、腕を振り続けた。マルティネスは、雨でぬかるんだマウンドにもすぐに順応。土が入れられた直後の3回には2者連続四球とピンチを迎えたものの、後続を打ち取って、試合の流れを渡すことはなかった。7回1失点で10勝目。「天候に影響されないように、集中力を高めて投げました。チームにとっても大きな1勝ですし、北海道としても一つの大きな勝利だと思う」とホッとしたようにうなずいた。

 来日1年目の米国出身右腕は、札幌市内の自宅で、6日の大地震を経験した。停電、食べ物がないという緊急事態にも直面。キンバリー夫人と5月に生まれたヴェラちゃんは米国に帰国中とあって、心細い思いもしたが、レアードの自宅でメキシコ料理を振る舞ってもらい、夜はトランプをして、怖さやさみしさを紛らわせた。

 「(北海道は)自分のホーム。自分たちのファンの住む町で困難があるときは、同じ仲間として体験したので、1勝して北海道の皆さんに喜んでもらえればうれしいと思って、勝てるように投げました」

 今では、練習用のグラブに「マルティネス」のカタカナの文字と北海道の地図の刺しゅうを施し、5月には夫人が第1子を札幌市内で出産するなど、北海道には強い愛着を持っている。来日1年目の2桁勝利は10年のケッペル以来、チームでは2人目。185センチの長身助っ人は「これから先の終盤戦、ひとつひとつの勝ちがチームにとって大事なので、どんどん積み重ねていきたい」と北海道のファンの思いも受け止めながら、前を向いていた。(安藤 宏太)

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