【日本ハム】中田、逆転V二塁打で連敗ストップ「CS札幌開催を確定できれば」

スポーツ報知
逆転勝利でソフトバンクに1差と迫った中田(左から2人目)ら日本ハムナインは、栗山監督(左)とハイタッチ(カメラ・池内 雅彦)

◆日本ハム4―2オリックス(17日・札幌ドーム)

 執念の一打が、左中間を破った。2点を追う6回。近藤の適時打で1点差とし、なおも1死一、三塁。中田が比嘉の外角高めスライダーを振り抜いた。一塁走者の近藤がヘッドスライディングで本塁へ生還。主砲の逆転の2点二塁打に、札幌Dのファンから、この日一番の大歓声が降り注いだ。

 「ここ数試合、チャンスをつぶすことが多かった。何とか意地でも打ちたいと思って打席に入った」

 “中田キラー”にリベンジした。比嘉は今季これまで7打数1安打と抑え込まれていた天敵だった。「普通の投手が投げるスライダーとは違うから。割り切っていった結果、良かった」。サイドから独特の曲がりを見せるくせ球を一振りで仕留めた。3回にはタイムリーエラーを犯したが、バットで取り返し、チームの連敗を2で止めた。

 6日の北海道地震の影響で2試合が中止になった後、満を持しての札幌D4連戦だった。「背負い過ぎてんな、って感じで見てた」と栗山監督。14日の試合前には主将自ら募金にも立ち、支援を呼びかけた。だが肝心の試合では下位チームに連敗し、16日に自力優勝の可能性が再消滅。中田も「野球で北海道を元気にしようって言っている中で、情けない試合が続いていた」とふがいなさがあった。

 だが吹っ切れた。17日の未明にも、北海道で震度4の地震が発生。「余震の度に、不安を覚える方がたくさんいる。ちょっとでも元気にさせられるように頑張っていくしかない」。この日の一打は被災者を勇気づけるには十分だった。

 18、19日には首位・西武との2連戦(メットライフ)に臨む。2位・ソフトバンクに1差に迫った。CS札幌開催を確定できれば、北海道にとって明るい話題になる。指揮官は「大事な試合になればなるほど、“主役”しか決められない試合が多くなる」と期待した。「勝ち続けて、皆さんと一緒に笑って終わりたい」。主砲で主将で主役。大役を担い切れるのは、中田しかいない。(秦 雄太郎)

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