金村義明氏、M1広島の強さ語る「テングにならず練習、猛練習でも食らいつく馬力」

スポーツ報知
金村義明氏

◆広島2x―1DeNA(23日・マツダスタジアム)

 リーグ3連覇を目指す広島が、劇的なサヨナラ勝ちで優勝マジックをついに「1」とした。金村義明さん(スポーツ報知評論家)がその強さの秘密を解説した。

 3連覇に王手をかけたカープに、伝統の力を感じる。

 昨年まで2年連続で優勝しても、選手がテングになったり、気を緩めたりしていない。丸、鈴木らは、まだ伸びるのか、と驚かされるぐらい、成長を続けている。鈴木なんて、体もどんどん大きくなって、ユニホームの太もも部分がパンパンだ。

 実績のある黒田、新井が復帰して、カープの伝統をうまく継承した。新井はキャンプで若手と同じ練習に取り組んで、ユニホームを泥だらけにしていた。そんな姿を見たら、後輩は手を抜けない。菊池や丸も新井と同様にたたき上げで育ってきた選手。もっと練習しなきゃ、という思いを持ち続けている。

 チームとしての練習への意識づけもすばらしい。キャンプで打撃練習の合間、ほかのチームのような「休憩」がない。空いた時間は、速いスピードに設定したマシンの打席に入って、空振りしていた。速い球に目を慣らすと同時に、タイミングをとってフルスイングする訓練。練習中に無駄な時間がない。

 Bクラスが続いた時代は、キャンプでの練習のやり過ぎで故障する、なんて言われた。だが、今の選手は猛練習に食らいつける馬力がある。そうした選手を発掘してきたスカウティングの成果も見逃せない。

 今年は野間が台頭したように、次から次へと選手が力をつけてくる。緒方監督の「実力至上主義」がチーム内の競争を刺激している。

 新井が今季限りで引退するが、来季以降もカープの強さは続くだろう。猛練習による育成という良き伝統が根づいているからだ。(スポーツ報知評論家)

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