【中日】浅尾、今季限りで現役引退…28日にも有終登板

スポーツ報知
中日・浅尾

 11年にMVPに輝いた中日の浅尾拓也投手(33)が今季限りで現役を引退することが25日、分かった。近日中に会見する。

 浅尾は今季、9試合に登板したが、いずれも大量リードかビハインドの展開だった。19日に登録抹消されてから自身の去就について熟考し、関係者に「モチベーションが維持できなくなった」と明かして、ユニホームを脱ぐことを決断した。

 落合竜の黄金期を支えた名セットアッパーだった。最速157キロの剛速球を武器に10、11年と2年連続で最優秀中継ぎ投手に輝いた。抑えの岩瀬と最強救援陣を形成し、チームのリーグ連覇に大貢献。とくに11年は防御率0・41という驚異的な成績でMVPを獲得した。

 しかし12年頃から右肩痛に悩まされ、本来のスピードが影を潜めた。16年は1軍登板ゼロ。昨年10月1日のヤクルト戦(神宮)で通算200ホールドを達成した際は、1アウトを取るだけという状況で、「周りの『達成させてあげなきゃ』という空気を感じて、選手として悲しかった」と、限界を感じ始めたという。

 また、球界屈指のイケメンとして女性ファンを中心に「浅尾きゅん」の愛称が生まれるなど人気を集め、バレンタインデーのチョコレートの数や、グッズ売り上げも常にチームNO1。気遣いのできる性格で、後輩選手の面倒見がいいことに加え、たとえ自身が打たれて負けた際でも誠実に報道陣の取材に応じてきた。

 球団は功労者として、28日からの阪神3連戦(ナゴヤD)のいずれかで引退登板の機会を与える予定。剛球右腕が太く短いプロ生活にピリオドを打つ。

 ◆浅尾 拓也(あさお・たくや)1984年10月22日、愛知・知多市生まれ。33歳。常滑北高(現・常滑高)から日本福祉大を経て、06年大学・社会人ドラフト3巡目で中日入団。10年、ともにプロ野球記録の25試合連続ホールドポイント(HP)、シーズン47ホールド。11年も52HPで2年連続の最優秀中継ぎ投手を獲得し、MVPとゴールデン・グラブ賞も受賞。通算415試合で38勝21敗23セーブ、200ホールド、防御率2・42。182センチ、78キロ。右投右打。既婚。

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