【ロッテ】根元、限界悟った…引退理由は「思うような打撃ができなかった」

スポーツ報知
引退会見に臨んだロッテ・根元は福浦(右)から花束を受け取る

 ロッテ・根元俊一内野手(35)が27日、ZOZOマリンで引退会見を行った。

 グレーのチームスーツに身を包み会見に臨んだ根元は「自分の持ち味は打撃。今年は打席の中で自分の思うような打撃ができなかった。そういう部分で厳しい世界なので、(現役続行は)苦しいのかなと思った。第三者的に自分のことを見て限界じゃないかなと思った」と決断の理由を語った。

 2005年大学・社会人ドラフト3巡目で、ロッテ入団。2012年には自己最多133試合に出場しリーグ最多タイの40犠打をマークするなどチームに貢献した。しかし、その後は若手の台頭もあり年々、出場機会を失い今季は27試合の出場にとどまっていた。

 本業は内野手だが、チーム事情と不測の事態に備えて外野の練習も徹底して取り組んだ。ユーティリティープレーヤーとして13年間のプロ生活を送れた秘訣(ひけつ)は「試合前の準備」。177センチとプロでは小柄な体格。そのハンデを補うためにも試合で最高のパフォーマンスを出すためにストレッチや体のケアにも多くの時間を割いた。

 「野球をする前の準備、姿勢を教えてくださった方々がたくさんいた。そういう先輩を見てここまで来られた」。中でも福浦、大松(現ヤクルト)の2人の先輩を見て「刺激を受けた。良い時も悪いと時も、1軍にいる時も2軍にいる時も変わらずにプレーしていたのを見させてもらって、ここまでできたことは幸せだった」と感謝を口にした。

 長いプロ生活で印象に残った試合は今季の8月19日の楽天戦(楽天生命)。代打の切り札として3―6の9回に同点に追いつき、なおも1死一塁でハーマンの外角直球を左中間へと運んだ。最大6点差をひっくり返す決勝の適時二塁打に右拳を突き上げたシーンが感動を呼んだ「あの勝ち越しタイムリーは本当にうれしくて、やっとチームに貢献できたという気持ちだった。あの1打席は一生忘れない」と振り返った。

 会見後には背中を追い続けてきた福浦から花束を受け取ると、この日一番の笑顔を見せた。前日26日に引退会見を行った岡田にも花束を渡していた先輩に「2日続けて、すみません!」と頭を下げ、会場の笑いを誘った。チームを支えてきた背番号2が惜しまれつつ現役生活に幕を下ろす。

 ◆根元俊一(ねもと・しゅんいち)1983年7月8日、東京都生まれ。35歳。花咲徳栄高の3年夏に甲子園出場。東北福祉大3年時に全日本大学選手権優勝。05年大学・社会人ドラフト3巡目でロッテ入団。通算837試合出場。打率2割5分、31本塁打、204打点。177センチ、77キロ。右投左打。

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