【西武】“レオ流スカウティング”で10年ぶりVに王手!

スポーツ報知
6回2死一塁、中村が中越えに決勝2ランを放つ

◆西武5―3ソフトバンク(28日・メットライフドーム)

 西武が10年ぶりの優勝に王手をかけた。強力打線には生え抜きがズラリと並ぶ。外国人に依存しないチームづくりの秘訣(ひけつ)とは―。鈴木葉留彦球団本部長(67)と渡辺久信シニアディレクター(SD)兼編成部長(53)が“レオ流スカウティング”の極意を明かした。

 圧倒的な攻撃力で頂点目前の西武。驚くべきは、強力打線のスタメンをほぼ生え抜きが担っていることだろう。14年本塁打王メヒアさえ控え。個性に富む選手を見抜く先見の明が、今季の独走につながった。

 例えば、この日、一発で勝利に導いた中村(01年2巡目)と山川(13年2位)は他球団が確実性や守備などを減点材料とする中、長打力を高評価して上位指名。外崎(14年3位)、源田(16年3位)らも長所に魅入られての指名だった。

 渡辺SD「山川ならパワー、外崎なら体幹の強さ。これはいける、というものがあれば上位でいく」

 外崎の指名は、実家がりんご農家という環境さえ評価の対象だったという。

 渡辺SD「りんご園を手伝ってきたから、あの体の強さがある。稲尾(和久)さん【注】も漁師をやって、櫓(ろ)をこいでいたからあれだけすごかったと思う」

 プレーが数値化される現代で生い立ちも含めた独特のスカウティングを展開。山川、外崎らは岩手の富士大出身だが、地方出身選手にもプラス評価を下す。

 鈴木本部長「地方は粗削りだけど、そこが楽しみ。洗練された東京六大学や東都では“この選手はこのくらい育つ”と分かる。地方はもまれてないから、もう一回り磨きをかけられる」

 人間性を加味して獲得したという栗山(01年4巡目)、秋山(10年3位)はリーダー格に成長。独自の見方で原石を発掘する一方、「甲子園のスターは能力が高く、人気もある。勝負強い選手が多い」(鈴木本部長)と、浅村(08年3位)、菊池(09年1位)、森(13年1位)、高橋光(14年1位)、今井(16年1位)ら実力と人気を併せ持つ甲子園組の指名も目立つ。球界屈指のスカウティングの積み重ねが、今日にも実を結ぶ。

 【注】西鉄で3年連続30勝(57~59年)、61年42勝など通算276勝。幼少期から漁師の父に連れられて櫓をこぎ、下半身とスタミナを鍛えたといわれた。

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