【中日】岩瀬1000登板 “センイチ”さんが導いてくれた前人未到の記録の一歩目

スポーツ報知
9回から登板し、通算1000試合登板を達成した岩瀬(カメラ・豊田 秀一)

◆中日4―3阪神(28日・ナゴヤドーム)

 中日・岩瀬が、阪神戦(ナゴヤD)の9回からリリーフして、プロ野球史上初の1000試合登板を達成した。今季限りで現役を引退する43歳の左腕は、自身が持つ最多セーブ記録も407に更新した。また、中日は6年連続の4位以下が確定した。

 岩瀬が前人未到の金字塔を打ち立てた。出番はかつての「定位置」。1点リードの9回だ。1000回目の「ピッチャー、岩瀬」というコールでナゴヤDが熱狂に包まれた。

 先頭・糸原に死球を与えたが、後続を打ち取り、2死一塁で糸井を仕留めた球は、宝刀のスライダー。こちらも日本記録を更新する通算407セーブを達成し「まさかここまで来るとは思わなかった」と涙を拭った。

 「1000」という記録が「1」で終わる可能性もあった。プロ1年目の開幕戦、99年4月2日の広島戦でデビューしたが、1死も取れず降板した。ベンチでは星野仙一監督が激怒していた。「2軍落ちだろうな」とうなだれたが、2日後の同カードで起用され、1回を無失点に抑えた。「抹消されてたら、この数字はなかった」。千里の道の一歩目を、1月に亡くなった“センイチ”さんが導いてくれたのも、何かの縁か。

 6回の決勝点は、ともに今季限りでユニホームを脱ぐ荒木の二塁打が起点。「自分も頑張ろう」と奮い立った。既に引退は決意しているが、CS争いが続く他球団に迷惑をかけたくないという美学で、いまだ“2文字”を公言していない。

 センイチ氏を弔う1001試合登板にも、やる気満々だ。「でも、そうやって(センイチと)言われると心が重い。こじつけてはいけないのかな」と笑ったが、30日の阪神との本拠地最終戦での“達成”も視野に入った。(田中 昌宏)

 ◆岩瀬 仁紀(いわせ・ひとき)1974年11月10日、愛知・西尾市生まれ。43歳。西尾東高、愛知大、NTT東海を経て98年ドラフト2位で中日入り。1年目から中継ぎで活躍し、2004年に抑えに転向。05年にプロ野球記録のシーズン46セーブ。最優秀中継ぎ投手3度、最多セーブ5度。17年にカムバック賞。181センチ、84キロ。左投左打。既婚。今季年俸7500万円。

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