【楽天】田中、人生初のサヨナラ打で新人王へ一歩前進「絶対取りたい」

スポーツ報知
5回2死一、二塁、中前に同点打を放つ田中

◆楽天2×―1日本ハム(29日・楽天生命パーク)=延長10回=

 新人王候補の楽天・田中和基外野手(24)が、同点の延長10回2死一、二塁でサヨナラの右前適時打を放った。

 小雨が降る仙台の寒空の下で、最高のウォーターシャワーを浴びた。二塁走者の岡島が本塁に生還したのを見届けた田中は、一塁を回った所でナインの手荒い祝福を受けた。プロ初のサヨナラ打は、人生初のサヨナラ打だ。本拠地での連敗を7で止める一打に「初めてだったので、ベース回った後にどうすればいいか分からなかった。めっちゃうれしかったです」とホッとしたように笑った。

 苦しんだからこそ、喜びもひとしおだった。2割9分前後だった打率も、9月に入ると日に日に落ちていった。この試合前までの9月の月間打率は1割8分8厘。ついに2割6分台にまで沈んだ。周囲からは新人王を期待する声が上がり、自然と数字を気にするようになって調子を落とした。「1打席目終わった段階で今日もダメかなと弱気になっていた。正直結構しんどかった」。大卒2年目の24歳は本音を吐露した。

 27日までは7試合で1安打とどん底まで落ちたが、2試合連続で2安打2打点。1軍に昇格してブレイクし、レギュラーを奪取した5月の頃を思い返した。「1軍に上がってきた頃に相手の方が上だからという開き直りでやっていたのでよかった。最近は数字が目に入って打たなきゃ打たなきゃという気持ちになっていた。数字が落ちたことで、また開き直れたと思います」。原点回帰したことで、輝きを取り戻した。

 オリックス・山本、ロッテ・藤岡との新人王争いは佳境を迎えている。「今年しかチャンスはないので絶対取りたいという気持ちはある。そのために残り6試合まずケガしないことを考えてやりたい」と田中。ラストスパートへ調子を上げてきた。

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