【中日】浅尾 引退試合で黄金リレー復活「浅尾に代わりまして岩瀬」が聞きたくて先輩に登板依頼

スポーツ報知
ナインに胴上げされる浅尾

◆中日0―4阪神(29日・ナゴヤドーム)

 あふれる思いを抑えきれなかった。0―4の9回無死、浅尾が現役最後のマウンドに上がると森監督が待っていた。「そりゃあ、マウンドに行きますよ」。かつてヘッドや投手コーチとして何度も球を渡した。森監督を見て、浅尾の脳裏にも過去のシーンがよみがえった。「久しぶりすぎて違和感があった。でもずっと一緒にやってきましたから」。恩師の粋な演出に、投球練習中から涙が頬を伝った。

 相手の中谷のスイングで真剣勝負を悟った。カウント2―2から選んだのはフォーク。「一番信用していますから。三振を取るならそれ」。サインに4度首を振って、空振り三振に仕留めた。

 代わって岩瀬がマウンドへ。10、11年にリーグ連覇した黄金リレーの復活は、浅尾の希望だった。「『ピッチャー、浅尾に代わりまして岩瀬』が聞きたくて。『投げてくれませんか』とお願いしました」。登板予定だった30日の試合が中止となったこともあり、先輩左腕も快諾した。

 快速球を武器に、11年に中継ぎでMVPを獲得するなど、落合竜の黄金期を支えた。ナインの手で5度胴上げされた球界屈指のイケメン右腕は「(故障で)つらかった時期が多かったけど、野球をやってよかった」とほほ笑んだ。まだ33歳。太く短い12年のプロ生活に、別れを告げた。(嶋田 直人)

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