【阪神】藤浪、849日ぶり完封…逆転CSへ復活

スポーツ報知
2年ぶりの完封勝利を挙げて梅野(左)と握手する藤浪(カメラ・豊田 秀一)

◆中日0―4阪神(29日・ナゴヤドーム)

 マウンド上で自信なさげだった藤浪はもういない。9回2死一、三塁の最後のピンチでも強気に6球連続で直球を選択し、この日の134球目で亀沢を三ゴロに抑え込んだ。5安打しか許さず、スコアボードに0を並べた。プロ6年目での50勝を、16年6月2日の楽天戦以来849日ぶり、通算6度目の完封で飾った。3連敗中だったチームの最下位転落の危機を救い、CS争いに踏みとどまらせた。

 「全体的に意図したボールが投げられたかな」。1軍に復帰した16日のDeNA戦(横浜)から自身3連勝で今季5勝目。だが、ともに4失点した最近2試合とは違い、復活を印象づける投球だった。最速154キロの直球で打者を詰まらせ、カウント球と決め球の2種類のカットボールを使い分け、計14個のゴロアウトを積み重ねた。

 2軍降格中の鳴尾浜でも、記者の問いかけにサングラスを外し、必ず立ち止まって答えた。「1軍で活躍するのはもちろんですけど、それだけじゃなく、その先を見据えて『いい選手』になりたい」。その実直な姿勢をナインも知っている。藤浪の3連勝中は打線がすべて2ケタ安打で援護。金本監督も「僕の思いというか、彼がなんとか勝ち星をつけて自信をつけてほしいという思いを、選手が共有してくれているような点の取り方ですよね」とうなずいた。

 自身も5回に適時二塁打を放って、チームに勢いをつけた。阪神の完封は5月8日・巨人戦(東京D)の秋山以来、今季2人目。あと2試合の登板が見込まれる藤浪が逆転CS進出へのキーマンとなる。(長尾 隆広)

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