【西武】金村義明さん、ひもといた西武強さの秘密 立役者は源田 

スポーツ報知
10年ぶりの優勝を決め胴上げされる辻監督

◆日本ハム―西武(30日・札幌ドーム)

 西武が9月30日、10年ぶりのリーグV。スポーツ報知評論家の金村義明氏がその強さの秘密をひもといた。

 西武がこれほどまでに強くなった立役者は源田だ。個人的にMVPをあげたいぐらいだ。キャプテンシーを発揮したのは浅村だが、走攻守にわたってチームをレベルアップさせたのは源田だ。

 西武はここ数年、打撃陣が強力な一方、投手力や守備力が弱かった。言葉は悪いが、打つだけの大味な野球しかできなかった。去年、源田が入って、それが一変した。失策の多かった守備が全体的に引き締まった。不動のショートになり、センターラインが引き締まった。辻監督は“守備の人”。守り勝っていた黄金期の野球を取り戻すのに源田は最適な人材だったのだろう。

 源田の存在は打線も変えた。もともとパワーだけならソフトバンク、日本ハムにも引けを取らなかったが、そこにつなぎ役としての源田が加わったことで打線が「線」としてもつながるようになった。源田は体力的に1年持たないかな、と思っていたら、楽々1年戦えた。昨季、同じショートで新人王を獲った中日・京田が今年、ガクンと成績が落ちたのとは対照的だ。

 西武は昨季、貯金が18あったが、去年のソフトバンクは45。ソフトバンクが強すぎたが、今年はサファテが離脱するなど故障者が出た。ソフトの戦力がダウンした一方で、西武は守備力が整備されたことも、パ・リーグで頭一つ抜け出せた要因だろう。

 西武は体幹の強い選手ばかりだ。彼らが、階段や坂道の多い宮崎・南郷のキャンプ地で、さらに足腰を徹底的に鍛えている。バットを振る量も広島、ヤクルトと並んで12球団トップクラスではないか。キャンプに行くと、ロングティー打撃のすさまじさにいつも驚く。体幹の強い選手をしっかり見極めて獲ってくるスカウトの功績も大きい。

(スポーツ報知評論家) 

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