【西武】山川手記 46発Vの原動力に「イエスマン」妻

スポーツ報知
「ホームランは正義」と記した色紙を手にする山川

◆日本ハム4―1西武(30日・札幌ドーム)

 超強力打線の4番、西武の山川穂高内野手(26)がスポーツ報知に手記を寄せた。ここまで全138試合に4番で出場し、リーグトップ46本塁打、121打点。MVP候補にも挙がる活躍を見せた山川は、一発への強い思いを打ち明け「ホームランは正義」と言い切った。4番の重圧、本塁打へのこだわり、昨夏結婚した妻・麻衣子さんへの感謝…。愛称「アグー」の最強4番が大いに語った。

 どんな形でも優勝できたのはうれしい。自分の仕事は果たせたと思う。4番は大変だけど、誰にも渡したくなかった。僕が言うのはおかしいけど、打てない時でも僕を4番から外さなかった辻監督は本当にすごい。4番はそのチームの色、全てを背負う。だから、誰より練習したし、誰より球場に早く来た。ずっと4番でいるために姿勢を大事にしてきました。

 「ホームランは正義」と思ってます。だって1人で確実に1点が取れる。球場の空気が変わる。流れを一変することができますから。例えば年間500打席とすると、「チームのために」という打席は実は50打席くらい。それ以外の450打席は自分のホームランのためでしか立ってない。本当ですよ。自己中と言えば自己中ですよね。でも僕のホームラン、打点でチームが上に行くと思ってた。ダメだった時は自分の責任。叩かれてもいい。でも、そう思って一番打てたし、間違いではないと思っています。

 今季は周りがすごく打ってくれたので助けられました。正直、4番はプレッシャーでしかなかった。負けたり、打てない時は苦しかったですけどね。球場を支配できるのが理想の4番かな。テレビをつけて山川の打席を見よう、チャンネルかえるのは山川の打席が終わってからにしよう、というのが4番。まだ、そこまでなれてないな。

 中村さんと比較されることもありました【注1】。だからこそ、中村さんと違う4番でいたいと思って喜怒哀楽はめっちゃ出しました。うれしい時はうれしい、打てなかったらめっちゃむかつく(笑い)。自分らしくやって今この位置にいるんだから、これでいいと思ってます。

 それから、これも言わせてください。あ~、結婚して良かった! 僕の奥さんは世界で一番性格がいい(笑い)【注2】。家ではめちゃテンション高いです。野球の話をずーっと奥さんにしてる。「うん、うん」って聞いてくれる。鬼のイエスマン。超、ストレスが抜ける。家で落ち込むとかない。帰ったら風呂ができてて、出たら飯ができてて、パジャマも出てて。最強だわ、誰も勝てないよ(笑い)。よくあるじゃないっすか、結婚して成績下がったとか。それ、絶対言われたくない。だから僕は打つ。

 次はCS、日本シリーズ。引退する稼頭央さんの最後を花道で飾りたいです。今年1年一緒にできたのは貴重な経験になりました。小さい頃、ゲームで使ってた人ですよ?(笑い)。普段の行動や野球への姿勢を見て学ぶことばかりでした。本当に感謝です。

 これからも全打席ホームランを狙います。プロは一番の武器で戦う場所。ホームランへの思いは12球団でも僕が一番が強い、打ちたい、と毎日強く思っています。僕にとって、この世でホームランに勝るモノはないという信念がある。ホームランは「正義」だから。(西武内野手)

 【注1】山川は本塁打王6度の中村に憧れ、打撃フォームなどをまねた。体形やパワー、一発狙いの豪快な打撃スタイルから入団当初は「おかわり2世」と呼ばれた。

 【注2】17年8月9日に麻衣子さんと結婚。夫人は大学時代ソフトボール部に所属。

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