【ロッテ】ドラ1安田、球団高卒新人28年ぶり弾! 3歳で始めた野球の原点とは

スポーツ報知
2回2死、安田が右中間へ同点の本塁打を放つ(カメラ・岩下 翔太)

◆ソフトバンク4―2ロッテ(2日・ヤフオクドーム)

 滞空時間が長かった分、半信半疑だった。安田は全力で駆け出した。「入らないと思っていた。ビックリです」。打球が右中間のテラス席に入ると歓声が聞こえて、ようやくスピードを緩めた。

 0―1の2回2死。東浜の直球を捉えた。45打席目で飛び出した初アーチ。ドラフト制後、球団高卒新人では1990年の林博康以来28年ぶり3人目。球団史に名を刻んだドラ1は「やっと出た」とホッとした表情を見せた。

 社会人・三菱重工名古屋でプレーする兄・亮太さん(31)がPL学園1年の時、当時3歳の安田は応援で訪れた同校グラウンドにおもちゃのグラブとボールを持参。トイレの壁に目掛けてボールを投げて“1人キャッチボール”をしたのが野球を始めた原点だった。

 履正社高では高校通算65発。早実・清宮(日本ハム)、広陵・中村(広島)と並び「高校BIG3」と称され、鳴り物入りで入団したが一線級投手の球を打ち返せず、開幕は2軍で迎えた。「力がなかった。また1軍に呼んでもらえるように準備します」と目の色を変えてバットを振った。ウエートトレにも励み、筋肉量もアップし体重は5キロ増の100キロに到達した。地道に積み重ねてきた努力が結実した一発だった。

 これまで2軍では12発を放っているが1軍での結果にこだわり、ホームランボールはとファームのロッカーの中に無造作に“放置”していたが、この日の記念球は大阪の実家の両親にプレゼントすることを決めた。

 井口監督は「60打席以内」という新人王資格を考え、残り12打席まで1軍で経験を積ませる方針だ。「これまでチーム迷惑をかけてきた。この1本に満足せずに1本、1本積み重ねていきたい」と安田。近未来の和製大砲が強烈なインパクトを残した。(長井 毅)

 ◆安田尚憲(やすだ・ひさのり)

 ★生まれ 1999年4月15日、大阪・吹田市生まれ。19歳。

 ★球歴 小学1年から野球を始め、タイガースジュニアに所属。豊津中時代は元阪神の赤星憲広氏がオーナーを務める「レッドスターベースボールクラブ」に入団。履正社高で2016年夏、17年春の甲子園に出場。高校通算65本塁打。

 ★サイズ・投打 公称188センチ、95キロも「今は体重100キロくらいです」。右投左打。

 ★華麗なるスポーツ一家 父・功さん(56)は元400メートル走の選手で現在は大阪薫英女学院陸上部監督で高校駅伝全国制覇2度。母・多香子さんは、学生時代にやり投げで国体出場。兄・亮太さんは三菱重工名古屋に所属。PL学園高では1学年下の前田(ドジャース)とバッテリー。姉の裕佳子さん(26)はソフトボール経験者で、小学校時代は水泳でジュニアオリンピックに出場。

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