【ヤクルト】高橋、プロ初勝利で2位&勝ち越し確定「率直にうれしいです」
スポーツ報知

◆ヤクルト3―2DeNA(2日・神宮)
力の限りに高橋は左腕を振り下ろした。初回無死一、三塁のピンチを3者連続三振で切り抜けると、5回は1点差に迫られてなお2死一塁。筒香から3打席連続三振を奪った。3度目の先発で5回3安打1失点、8奪三振と堂々のプロ初勝利。チームの2位と勝ち越しを確定させ「率直にうれしいです。(筒香は)挑戦者の気持ちで一番力を使いました」と美形に笑顔がはじけた。
長かった。センバツV投手の肩書を背負って入団した1年目の5月。2軍初登板の翌日に左肩を異変が襲った。「張っているのか痛いのか分からない」。約1年投げられない期間が続いた。同級生や後輩はデビューを果たし、悔しさが募った。昨オフには右足を顔付近まで上げていたライアン投法から脱却。今は投げられる喜びしかない。
大先輩からも刺激を受けた。9月中旬に戸田球場で調整していた石川と初めてキャッチボールを交わした。「ボールが重い。1年でも大変やのに、十何年もローテを守ってすごい」と投げ続ける偉大さを体感。小川監督はCSで先発の可能性も示唆。「これからもっと勝てるピッチャーになりたい」。苦難を乗り越えた21歳が、秘密兵器になるかもしれない。(田島 正登)
◆高橋 奎二(たかはし・けいじ)1997年5月14日、京都・亀岡市生まれ。21歳。龍谷大平安高では2年春のセンバツで背番号10ながらエース格として優勝投手に。2015年ドラフト3位でヤクルト入団。178センチ、73キロ。左投左打。年俸580万円。独身。