【日本ハム】中田翔、兄貴と慕う矢野を勝利で送り出す CSへ「思いを背負ってやりたい」

スポーツ報知
1回1死三塁で先制の左前適時打を放った中田

◆日本ハム5―4ロッテ(10日・札幌ドーム)

 日本ハムの中田翔内野手(29)が今季初の「3番・一塁」で先発出場。初回に先制の左前適時打を放った。今季限りで現役を引退する矢野謙次外野手(38)の引退セレモニーが行われた試合。5―4で勝利し、3年半ともに戦った「兄貴」を勝利で送り出した。

 兄貴の雄姿が目に染みた。中田はベンチから身を乗り出して、背番号37の背中を見つめた。7回1死一塁で直前の打席で自らはセカンドフライ。併殺なら後ろに控える矢野の代打はお預けだっただけに「あの打席が一番緊張した。セカンドフライであんなに喜んだのは初めて」。矢野が左前に快音を響かせると、両手を挙げベンチで喜びを爆発させた。

 先輩の引退試合を負けるわけにはいかない。1死三塁で回ってきた初回の第1打席。「ファーストストライクを積極的に行けて良かった」と内角低めの直球を左前に運び先制点を奪った。

 中田にとって年上の矢野は「兄貴」だった。試合前練習では見学に来た矢野の長男・丈太郎君に自らのバットをプレゼント。「プライベートからお世話になった。打てない時も『お前はそんなもんじゃねえ』と声を掛けてくれた」と一緒にプレーした3年半を回顧。試合後のセレモニーでは花束を手渡し固い握手で別れを惜しんだ。

 13日からはソフトバンクとのCS第1ステージ(ヤフオク)が始まる。「矢野さんや石井(裕也投手)ちゃんの思いを背負ってやりたい」。引退した兄貴たちの思いは、中田が日本一まで持って行く。(秦 雄太郎)

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