【日本ハム】先発・上沢が3回7失点…それでも栗山監督「流れは変わる」

スポーツ報知
ベンチから戦況を見つめる栗山監督(カメラ・渡辺 了文)

◆2018 パーソル クライマックスシリーズ パ ソフトバンク8―3日本ハム(13日・ヤフオクドーム)

 テレビカメラの前に立った栗山監督は、すでに気持ちを切り替えていた。ゲームセットから約10分後。第一声は「あした(の試合を)取るだけなので」。短期決戦において重要な初戦を落とし、崖っ縁に追い込まれた。それでも、指揮官の目は次戦を見据えていた。

 運に見放された。初回に幸先良く先取点を奪ったが、その裏に誤算が待っていた。先発の上沢は先頭から左翼線二塁打と四球で一、二塁とされると、中村晃のボテボテの打球は一塁線上付近で止まる不運な内野安打となった。流れが相手に傾き、無死満塁から柳田に右前適時打、続くデスパイネには満塁弾を被弾。3回にも2ランを浴びて7失点でKOされた右腕は「(初回は)力が入りました。(不運な当たりは)仕方がない」と肩を落とした。

 策を尽くして地道に点差を詰めた。4回には、制球が乱れたミランダを攻めて2つの押し出し四球を選んだ。だが1死満塁からリリーフした武田に後続が凡退。この回2点止まりとあと1本が出なかった。7回無死一塁では2番・大田に代打で田中賢を起用し、8回1死では清宮を代打で送った。しかし両者とも凡退。流れは変わらなかった。

 普段は全体ミーティングでめったに声をかけないが、この日は「失敗を怖がらなくていい。思い切ってやってほしい」と選手に伝え、送り出した。14日に勝てなければ、終戦となる。圧倒的に不利な状況に追い込まれたが、指揮官は「うまくいかなかったことも、明日につながっていく。明日取れば流れは変わる」と前を向いた。残された道は勝利のみ。勝てば、道は開ける。(小島 和之)

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