松井秀喜氏、巨人・岡本不動の4番へ「満足するな」オフの心構え指南

スポーツ報知
岡本(左)にアドバイスする松井秀喜氏

 ヤンキースのGM付特別アドバイザーを務める松井秀喜氏(44)が、20日(日本時間21日)、米国ニュージャージー州内で小学生約40人を対象とした野球教室を開催。史上最年少での「3割、30本、100打点」を成し遂げた巨人・岡本和真内野手(22)に「残した結果に満足するな」とエールを送った。臨時コーチとして参加した今春キャンプでは、マンツーマンで指導して軸足に体重を乗せる打法を伝授したまな弟子のさらなる飛躍を、海の向こうから願った。

 右肩上がりの成長を止めるな―。史上最年少で3割30本100打点をクリアした岡本に“恩師”から海を越えて金言が届いた。松井氏が説く、若き巨人の主砲がこのオフに持つべき心構えとは。「一つあるとしたら、残した結果に満足しないこと」。さらなる向上を願って、慢心を戒めた。

 経験に基づく助言だ。ヤ軍で活躍するジャッジ、サンチェス、トーレス、アンドゥハーらをマイナー時代に指導した松井氏。バリバリのメジャーリーガーとなった4人に共通するのが「野球に取り組む姿勢と謙虚さ」という。常におごらず、貪欲でいることがスーパースターへの近道、というわけだ。

 今季の覚醒ぶりは、さしものゴジラも予想できなかった。岡本は高卒4年目となった今季、チームで唯一のレギュラーシーズン全143試合に出場。打率3割9厘、33本塁打、100打点の成績を残した。春季キャンプで熱血指導を行ったが「持っている能力は高かったけれど、驚きです。3割30本100打点をクリアするとは…。申し訳ないけれど、春のキャンプでは想像できなかった」と絶賛。6月2日のオリックス戦(京セラD)から第89代4番を務めると、そこからシーズン66試合、CS全5試合にわたって守り通した。

 松井氏も高卒3年目となった95年8月に第62代4番を襲名。「3年目(の4番)は2、3試合だけ。落合さんが休みたいって言ったから」。実際には6試合で3割9分1厘をマークしたが、あくまで暫定的だという。「4番を打ったのは最後の3年くらい。そういう意味では、現時点で彼の方が経験がある」とまな弟子を頼もしく見つめている。

 岡本にとってプロ初の短期決戦の舞台となったCSでは、5戦計18打数1安打に終わった。終戦翌日、岡本は「もっとレベルアップしないといけない」。松井氏も「僕も4年目の日本シリーズ(対オリックス)は、野村さんに抑えられて2割しか打てなかった。でも、悔しかった経験は次に生かすことができる」と自身と重ね、さらなる成長を願った。

 ◆岡本と“同時期”の松井氏の4番成績

 ▽95年 高卒3年目となるシーズンで、8月24日の横浜戦で、自身初の4番に座った。この年の4番の成績は6試合で23打数9安打で打率3割9分1厘、1本塁打だった。

 ▽96年 高卒4年目で初の開幕4番を務めた。ただ落合の復帰に伴って5月以降は3番に座り、4番としては24試合で打率3割2分2厘、5本塁打の活躍。シーズン通しては打率3割1分4厘、38本塁打、99打点で初のリーグMVPを獲得。

 ▽97年 FAで西武から清原が加入したこともあり、4番での出場はなし。シーズンでは本塁打王を獲得したホージー(ヤクルト)に1本差に迫る37本塁打、自身初の大台となる103打点をマークした。

 ◆松井氏と岡本の師弟関係

 岡本にとってプロ2年目となった16年の春季キャンプで、松井氏が臨時コーチを務めた。野手全体を対象とした講義で、A・ロドリゲスらの名前を挙げて軸足に体重を乗せてその場で回転するように打つフォームを説いた。直接指導することはなかったが、キャンプを離れる際に松井氏は「目立ったのは岡本と重信」と評価。今春宮崎キャンプでは、高橋監督の願いで岡本が松井臨時コーチの強化指定選手の1人に。“任期”の7日間、連日でマンツーマン指導を行った。

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