【阪神】清水新ヘッドコーチ、勝負強さを注入

スポーツ報知
就任会見を終え、谷本副社長(左)と笑顔で握手を交わす清水ヘッドコーチ(カメラ・長尾 隆広)

 阪神の新ヘッドコーチに就任した清水雅治氏(54)が22日、兵庫・西宮市の球団事務所で会見を行った。球史に残る一戦での活躍から、今季17年ぶりに最下位に沈んだ虎に「勝負強さの伝承」を託された。

 同席した谷本球団副社長から、現役時代の名シーンが紹介された。1994年10月8日の中日・巨人戦(ナゴヤ)。当時の長嶋監督(現終身名誉監督)が「国民的行事」と表現し、勝ったチームがリーグ優勝という大一番だ。清水ヘッドは「1番・左翼」で先発出場し、試合には敗れたが2安打をマーク。同副社長から「二塁打を含む2安打を放たれた。その勝負強さを含め、我々タイガースに足りないものを補って」と期待を込められた。

 現役時代のプレーだけでなく、コーチとして今季所属した楽天の他、西武、日本ハム、ロッテの4球団を渡り歩いた指導にも注目が集まる。日本ハムでは「阪神で唯一知ってる選手」という糸井を野手転向後に鍛え上げ、不動のレギュラーに育てた。昨年11月からは侍ジャパンの外野守備走塁コーチも兼任。11月9日開幕の日米野球などに選出ゼロだった虎にとって、生きた教材にもなる。

 矢野新監督とは中日時代に苦楽を共にした。「僕たちはレギュラークラスじゃなかったから」と試合前から2人で室内練習場に立ち寄り、打撃練習を繰り返した。当初は来季も楽天でコーチを務めることが決まっていたが、「監督の人柄。何とかしたい」と急な就任に至ったことを明かした。

 新ヘッドは「選手、監督が生き生きして見えたら僕の価値がある」と言い切った。最下位からの巻き返しへ。23日から始まる秋季練習で、矢野阪神を力強く支える。(長尾 隆広)

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